穴党記者が好物の函館記念。
ウマい配当がいただけるのは、この4頭だ

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 一方、吉田記者も「巴賞組」から推奨馬を挙げる。5着と健闘したドレッドノータス(せん6歳)である。

「前走の巴賞は、出遅れもあって、後方からのレース。しかも、勝負どころでは馬込みで前が詰まり、直線しか追えなかったのが(最後に)堪えました。母ディアデラノビアよりは父ハービンジャーの血が濃く出ていて、早めに(アクセルを)踏んで、長く脚を使わせてこそ、味が出るタイプ。この舞台は歓迎です」

 また、同馬が目を引くのは、全5勝がすべて芝2000m戦であることだ。

「前走の芝1800m戦には良績がなく、ベストは芝2000m。この馬本来の好位から早めに抜け出す形になれば、前進必至です。少しハンデ(56㎏)は見込まれた印象はありますが、それはJRAのキャッパーもそれだけ評価している、ということ。ここは狙い済ました一戦と言えるでしょう」

 吉田記者ももう1頭、出走予定馬唯一のディープインパクト産駒であるポポカテペトル(牡5歳)の名前を挙げた。

「芝2000mの舞台の中で、ディープインパクト産駒がとりわけ苦しんでいるのが、函館・芝2000m。それでも、ポポカテペトルは母ミスパスカリの血を色濃く継承しており、しぶとい立ち回りは、この馬の"売り"です。

 適性よりもやや距離不足の印象も受けますが、時計のかかる芝2000mなら、十分に対応は可能でしょう。手の合う岩田康誠騎手に乗り替わるのもプラス。中団より前から外目を進出する形になれば、この馬のしぶとさが生きそう。55kgの斤量も、実績から考えれば恵まれており、一発の魅力を大いに感じます」

 2年連続で高配当が飛び出した函館記念。今年も"大荒れ"ムードが充満している。それを誘発する馬が、ここに挙げた4頭の中にいても何ら不思議ではない。

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