宝塚記念は5歳馬2頭に期待。今年苦戦中も馬場適性と血統はバッチリや (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Ito Yasuo/AFLO

 血統を見ると、2015年の同レース勝ち馬のラブリーデイ、2018年の勝ち馬のミッキーロケットとは、父がキングカメハメハである点が同じ。祖母の弟ディープインパクトも2006年に勝利している。父の産駒で母系にロベルトを持つのはラブリーデイと、ミスタープロスペクターを持つのはミッキーロケットと共通しており、血統的にもこのレース向きだ。

 1984年にグレード制が導入されて以降、ダービー馬が宝塚記念を勝ったのは2006年ディープインパクト、2012年オルフェーヴルの三冠馬2頭だけ。その2頭に並ぶ存在になれるかに注目したい。

 レイデオロの他に、穴馬として狙いたいのはクリンチャー(牡5歳/栗東・宮本博厩舎)。今年に入ってからはGⅡ日経賞(中山・芝2500m)7着、GI天皇賞・春10着と苦しんでいるが、2200mは昨年の京都記念(京都)、一昨年のOPすみれS(阪神)と2勝を挙げている得意な舞台。特に、宝塚記念と同条件のすみれSは4馬身差の圧勝で、3着に終わったキセキを破っている。

 父ディープスカイは2008年のGI日本ダービー(東京・芝2400m)、GINHKマイルC(東京・芝1600m)勝ち馬で、2009年に出走した宝塚記念は3着。産駒は芝で37勝を挙げていて、そのうち約3分の1を占める12勝が阪神コース。クリンチャーの他にもスピリッツミノルが2015年のすみれSを勝っており、得意条件と言える。今回は人気薄が予想されるが、それを覆す激走に期待したい。

 以上、今回はレイデオロとクリンチャーの5歳馬2頭に期待する。

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