宝塚記念は5歳馬2頭に期待。今年苦戦中も馬場適性と血統はバッチリや

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Ito Yasuo/AFLO

 6月23日、阪神競馬場で"春のグランプリ" GI宝塚記念(芝2200m)が行なわれる。

 今年はGI天皇賞・春(京都・芝3200m)を勝ったフィエールマンこそ出走しないものの、6頭のGI馬が顔を揃えた。今年の大阪杯(阪神・芝2000m)や一昨年の皐月賞(中山・芝2000m)を勝ったアルアイン、昨年の大阪杯を勝ったスワーヴリチャード、昨年のエリザベス女王杯(京都・芝2200m)を勝ったリスグラシュー、昨年の天皇賞・秋(東京・芝2000m)と一昨年の日本ダービー(東京・芝2400m)を勝ったレイデオロ、一昨年の菊花賞(京都・芝3000m)馬のキセキ、2016年の日本ダービー馬のマカヒキと、豪華な顔ぶれとなっている。

 この中で中心視したいのがレイデオロ(牡5歳/美浦・藤沢和雄厩舎)だ。

昨年末の有馬記念で2着に入ったレイデオロ昨年末の有馬記念で2着に入ったレイデオロ 今年初戦のGIドバイシーマクラシック(メイダン・芝2410m)は押し出される形で先頭に立ち、自分のリズムで走れず6着に敗れたが、当日のパドックでエキサイトしたことからレース前の消耗も激しかった。しかし、昨年の天皇賞・秋は1馬身1/4差の完勝で、GI有馬記念も稍重馬場に苦しみながらクビ差の2着と健闘しており、このメンバーに入れば上位争いは必至だろう。

 レイデオロは、宝塚記念と同じ芝2200mで1勝3着1回。昨年のGⅡオールカマー(中山・芝2200m)では、アルアインを並ぶ間もなく差し切って力の違いを見せている。さらに阪神コースでは、3歳時に一昨年のGⅡ神戸新聞杯(芝2400m)を勝利するなど、コース、距離ともに問題ない条件だ。

 不安点を挙げるとすれば、ドバイシーマクラシックのような展開になって折り合いを欠くことだが、今レースはキセキが出走することが好材料。今回の組み合わせなら同馬が逃げの手を打ち、ある程度締まったペースになることが予想され、そうなればレイデオロにもレースはしやすくなるだろう。ちなみに、キセキと一緒に走ったレースは3戦あるが、いずれもレイデオロが先着し、2勝している。レイデオロにとって相性のいい相手だ。

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