ユニコーンSで穴党記者の意見が合致。
ワイドファラオが砂嵐を起こす

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 今週は、GIIIユニコーンS(6月16日/東京・ダート1600m)が行なわれる。

 同レースは、地方交流GIジャパンダートダービー(7月10日/大井・ダート2000m)の前哨戦という意味合いもあるが、JRA3歳馬による「春のダート王決定戦」といった位置づけもあって、例年ダート路線を歩んできた強豪が一堂に会する。

 そして今年も、4連勝中のデュープロセス(牡3歳)をはじめ、4戦3勝のデアフルーグ(牡3歳)など、有力馬がズラリ。熾烈かつハイレベルな戦いが繰り広げられそうだ。

 そんな実力馬が集うレースだけあって、過去10年の勝ち馬はすべて3番人気以内。そのうち9頭が、それまでにダートのオープン戦、もしくは地方交流重賞を経験しており、やはり実績上位の馬が強いレースと言える。

 それでも最近5年は、1番人気が1勝、2着1回、着外3回と、やや信頼性に欠ける。そのあたりに、好配当を狙えるカギがあるかもしれない。そこで、日刊スポーツの松田直樹記者がまず注目したのは、芝の重賞戦線で奮闘してきた変わり種だ。

ワイドファラオ(牡3歳)です。今回、デビュー以来初のダート戦となりますが、ダートで変身の可能性を秘めています。前走のGINHKマイルC(5月5日/東京・芝1600m)では9着に敗れたものの、2走前にはGIIニュージーランドトロフィー(4月6日/中山・芝1600m)を逃げ切り勝ち。その実力は確かで、陣営がデビュー前から芝よりもダートに適性を見込んでいた、という話もありますからね。

 第一、父ヘニーヒューズは、米国のダートGIを2勝して種牡馬入り。米ダートGI11勝の名牝ビホルダーを送り出すなど、コテコテのダート系種牡馬です。2013年に日本に輸入されましたが、その前に生まれた持ち込み馬モーニンがGIフェブラリーS(東京・ダート1600m)を勝つなど、日本の砂適性もすこぶる高いです。6月11日現在、日本で生まれた2017年以降の産駒が挙げた118勝のうち、110勝がダートでのものですし。

 また、東京のダート1600mは芝スタート。芝でも活躍してきたワイドファラオのための舞台と言ってもいいでしょう。芝で重賞勝ちした馬が、満を持して路線変更。同馬にはかなりの魅力が詰まっています」

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