堅いエプソムCも今年は荒れる。波乱続きの東京開催でこそ狙える4頭 (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 実際、スタッフによれば、『最初から能力はあったが、全体的に体質が弱くて、なかなか(レースを)使えなかった。でも、去年の秋くらいから(馬体が)パンとしてきた。いずれ重賞の舞台にくると思っていた馬だし、これからの馬だからね』とのこと。いよいよ素質が開花してきた雰囲気です。

 前開催から、東京は高速決着が続いていて、内が有利で前が残る傾向にありますが、ある騎手に聞いたところ、『馬場が堅いと言うより、クッションが利いて(それが)良すぎるという感じ』と言っていました。とすれば、差しが利かない、というわけではないはず。

 東京コースは8戦して4勝、2着2回、3着1回、着外1回とめっぽう強いアップクォーク。充実著しい同馬が、実績馬に割って入る余地は十分あるでしょう」

 関西に遠征した前走のオープン特別(リステッド競走)・六甲S(3月24日/阪神・芝1600m)では11着に敗れたものの、2走前のオープン入り初戦は、東京が舞台だったリステッド競走の白富士S(1月26日/芝2000m)で3着と好走している。その得意舞台に戻る今回、一発があっても不思議ではない。

 坂本記者ももう1頭、推奨馬を挙げた。前走こそダート戦に出走してしんがり負けに終わっているが、昨年のレースでは2着と好走しているハクサンルドルフ(牡6歳)だ。

「前走はデビュー以来、初めてのダート戦に挑んで16着でしたが、その結果は度外視していいでしょう。この馬もハマった時の末脚は強烈で、東京・芝コースは8戦1勝、2着2回、3着1回、着外4回。4着以下に終わったのは、昨秋のキャピタルS(芝1600m)以外はすべて重賞ですから、適性は高いほうです。

 そして何より、やや重から不良の道悪馬場では5戦2勝、2着2回、着外1回と、時計がかかったほうがいい、という点がポイント。今週末は雨予報なので、馬場が渋るようなら、浮上する可能性は大いにあります」

 思えば、昨年のエプソムCも重馬場だった。当日の天候と馬場状態には注意を払っておきたい。

 手堅い決着が多いエプソムCとはいえ、5週連続のGI開催では断然人気の馬がことごとく馬群に沈んできた。今週も、その流れを受け継いで波乱の結果に終わってもおかしくない。そんな結末を演出する馬が、ここに挙げた4頭の中にいるかもしれない。

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