堅いエプソムCも今年は荒れる。
波乱続きの東京開催でこそ狙える4頭

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 加えて、吉田記者が「あえて穴馬を挙げるなら......」と言って推奨するのは、サラキア(牝4歳)だ。昨年までなら降格対象となる存在だが、降級制度がなくなったため、ある意味では格上挑戦となる。

「レースのサンプル数が少ないのですが、昨夏に小倉・芝1700mでレコード勝ちを収め、続く時計の速かったGIIローズS(阪神・芝1800m)でも2着と奮闘。その後、微妙に距離が長いと思われたGI秋華賞(京都・芝2000m)でも4着と善戦しました。

 エプソムCと同日には、牝馬限定のGIIIマーメイドS(6月9日/阪神・芝2000m)がありますが、そちらは同じ池添学厩舎&ノーザンファーム生産のモーヴサファイアに任せて、距離適性を重視してこちらに参戦、という点にも好感が持てます」

 今年はここまで2戦して、GIII京都金杯(1月5日/京都・芝1600m)が7着、GII阪神牝馬S(4月6日/阪神・芝1600m)では10着に終わっているが、それぞれ勝ち馬からコンマ4秒差、コンマ3秒差と着順ほど大きくは負けていない。

「2走前は荒れた馬場の京都で持ち味が出し切れず、前走は内枠で(前が)詰まって、直線に入ってからすぐに追い出せなかったのが、(最後に)弾けなかった原因でしょう。

 今回は約2カ月ぶりとなりますが、ストレスがたまったりしないように馬なり中心の調整で、ここを目標に仕上げられています。厩舎サイドの話では、『放牧で馬体に幅が出てきていい状態』とのこと。ローズSの時と同じく、馬体重は450kg近くのほうが、パフォーマンスが上がる、という見立てからすれば、それもまたプラス要素でしょう。

 決して大きな馬体ではありませんが、ストライドを伸ばして、しっかりとギアを上げていくタイプ。長い直線でフルに脚を使えれば、牡馬相手の定量戦でも勝負になると思います」

 一方、スポーツ報知の坂本達洋記者は"東京巧者"に注目する。

「まず、アップクォーク(牡6歳)に目がいきます。これまでに重賞に挑戦したのは、1回のみ。3歳時に、GIIIラジオNIKKEI賞(4着。福島・芝1800m)に出走したのが唯一ですが、昨秋にオープン入りして、本格化の兆しを見せています。

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