現役最強馬決定戦となる安田記念。馬券的な妙味は「第三の馬」に託せ (3ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

 ですから、皐月賞(4着。中山・芝2000m)、ダービー(8着。東京・芝2400m)、そして今春の大阪杯(14着)の敗戦も、ある意味で仕方がないと思っています。しかし、1800m以下のレースでは凡走なし。まして、昨年のGIマイルCS(京都・芝1600m)を制していますから、ここでは期待が持てます。

 また、2歳の頃よりも体を大きく増やしている点も好感が持てます。とくに昨秋から今春にかけては、毎日王冠でプラス6kg、マイルCSでプラス10kg、そしてGII中山記念(3着。2月24日/中山・芝1800m)でプラス12kgと、馬体重がトータル30kg近く増加。それでいて凡走がありませんから、それだけたくましく成長しているのだと思います。前走の大阪杯では体を減らしましたが、ここではまた増やしてくれるのではないでしょうか。

 加えて今回は、ダミアン・レーン騎手が鞍上というのも魅力です。

 先週のダービーでは人気を裏切ってしまいましたが、それは仕方がないこと。その際にもお伝えしたとおり、やはりダービーだけは特別なレースなんです。あの独特の雰囲気のなかで、圧倒的な1番人気の馬に騎乗、それも初騎乗となれば、相当なプレッシャーがあったはずですからね。

 それに比べて今回は、かなり気楽な立場。一切気負うことなく、彼本来の巧みな騎乗を見せてくれると思います。ダービーのあとのGII目黒記念(5月26日/東京・芝2500m)でも、鮮やかな手綱さばきでルックトゥワイスを勝利に導きましたしね。

 アーモンドアイ、ダノンプレミアムという「2強」に先着するのは、かなり至難なことだと思いますが、どこまで肉薄できるか。密かに楽しみにしています。 

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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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