現役最強馬決定戦となる安田記念。
馬券的な妙味は「第三の馬」に託せ

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

 今回、ついにアーモンドアイとの対決が叶って、本当の「世代最強馬」はどちらなのか、ひとつの結論が出ます。だからこそ、アーモンドアイには絶好の状態で出走してほしいんですよね。

 ダノンプレミアムにとっても、安田記念は最も高いパフォーマンスを繰り出せる舞台と見ています。そう思うと、GII金鯱賞(3月10日/中京・芝2000m)のあと、GI大阪杯(3月31日/阪神・芝2000m)をパスしたことにも合点がいきます。当時は「どうしてだろう?」と思っていましたが、もしかすると"アーモンドアイを破るため"、ここにピークが来るように調整してきたと捉えることができますからね。

 そんな意気込みをひしひしと感じたのは、2週前の日曜日の追い切りです。通常、日曜日に一杯に追うことはほとんどないのですが、この日、ダノンプレミアムは一杯に追って好時計を出したのです。

 これには、調整遅れを間に合わせるため、と考えてしまう方もいるでしょう。しかし、そうした懸念はすぐに打ち消すことができます。なにしろ、この日の栗東CWコースは左回りだったからです。

 2歳秋の重賞や金鯱賞で左回りの適性は実証済みですが、それでもあえて左回りで調教を行なったこと――そこに、安田記念にかける強い熱意を感じたんですよね。

 アーモンドアイとダノンプレミアム。どちらが勝つのか、レースが本当に楽しみです。

 さて、この「2強」対決が話題の中心ではありますが、3連複や3連単、さらにワイド馬券が発売されている今の競馬では、"第三の馬"を探し出すのもひとつの醍醐味です。安田記念では、「2強」と同世代のステルヴィオ(牡4歳)をその候補、すなわち今回の「ヒモ穴馬」として取り上げたいと思います。

「2強」にどこまで迫るか期待されるステルヴィオ「2強」にどこまで迫るか期待されるステルヴィオ この馬に関しては、ダービーで大敗したあとの復帰初戦となった、昨秋のGII毎日王冠(東京・芝1800m)の時にも「ヒモ穴馬」としてピックアップしました。当時もお伝えしましたが、クラシック戦線を歩んできた同馬については、もともと「マイラー色が濃いな......」と思っていました。

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