2019.05.31

「2強」を悩ます高速馬場。
安田記念の穴馬は前の2頭か後ろの2頭か

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

「となれば、やはり穴馬には先行馬を狙ってみたいと思います」

 そう言って、太田記者が名前を挙げたのは、グァンチャーレ(牡7歳)。4年前にこのレースを制したモーリスと同じスクリーンヒーロー産駒だ。

安田記念での大駆けが期待されるグァンチャーレ「キャリア38戦で1番人気がわずか2回しかないように、グァンチャーレは好走を繰り返しても人気することがなく、”穴党”には重宝されるタイプの馬です。前走のGIIマイラーズC(4月21日/京都・芝1600m)でも、5番人気ながらダノンプレミアムにコンマ2秒差の2着と奮闘しました。

『(ダノンプレミアムを)負かすとしたら、あれしかなかった』(北出成人調教師)と、果敢に逃げを打っての惜敗ですし、2カ月ぶりのレースでもありましたから、その内容は高く評価できます。東京でも4走前に、今回と同じ舞台のオープン特別・キャピタルS(2018年11月24日)を6番人気で勝利。タワーオブロンドン(牡4歳)らを退けており、コース適性という点でも心配はいりません」

 グァンチャーレが重賞で連対したのは、4年前のGIIIシンザン記念(1着)以来。以降、オープン特別で2着が8回と勝ち味に遅かったが、ここ5戦では重賞3戦を含めて2勝、2着1回、3着1回、着外1回と調子を上げている。晩成の血が開花した今、GI戦での躍進にも期待が膨らむ。

 太田記者はもう1頭、昨年2着のアエロリット(牝5歳)を推奨する。

「アメリカ帰りだった前走のGIヴィクトリアマイル(5着。5月12日/東京・芝1600m)は、外寄りの枠だったうえに発馬が今ひとつで、ハナに立つまでにだいぶ脚を使った印象があります。結果、ノームコアのレコード駆けに屈しましたが、この馬も1分30秒台で走破しており、”負けて強し”の内容でした。

 今回は叩き2走目で上積みが見込めますし、菊沢隆徳調教師も『気分よく走れば、バタッとは止まらない』と好走を期待していました。一発あってもおかしくありません」

 ヴィクトリアマイルでは5着に敗れたものの、東京のマイル戦を得意とするアエロリット。昨年の安田記念2着の他に、3歳時にはGINHKマイルCで頂点に立っている。ハマれば、「2強」にとっても脅威の存在になるのではないか。