「2強」を悩ます高速馬場。安田記念の穴馬は前の2頭か後ろの2頭か

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 東京競馬場での5週連続GI開催もいよいよ最終週。締めくくりは「春のマイル王決定戦」GI安田記念(6月2日/東京・芝1600m)だ。

 目玉は何と言っても、アーモンドアイ(牝4歳)の参戦。昨年は牝馬三冠を達成したあと、GIジャパンカップ(東京・芝2400m)まで制して、文句なしの年度代表馬に輝いた。そして今年も、海外GIドバイターフ(3月30日/UAE・芝1800m)を快勝。すでに歴史的な名馬の域に達したと言える同馬が、ここでは断然の存在とされるのは当然のことだろう。

 さらにもう1頭、注目を浴びているのが、一昨年の2歳王者であるダノンプレミアム(牡4歳)だ。昨年の牡馬クラシックはケガの影響でダービー出走(6着)だけにとどまったが、年明けに復帰すると、重賞2連勝。鮮やかな復活を遂げて、早々にここに標準を絞って調整してきた。

 今年の安田記念は、まさにこの「2強」が中心。馬券的にも、この2頭が抜けた人気になることは間違いない。

 はたして、断然人気のこの「2強」で決着するのか――。

 つい先週も、「断然」と言われたサートゥルナーリアがダービーで4着に沈んだ。誰もが「競馬に絶対はない」ことを、あらためて思い知ったばかりである。そうした状況のなか、日刊スポーツの太田尚樹記者は、"アーモンドアイ磐石"というムードに異を唱える。

「ダービーウィークの木曜日に、取材で東京の芝コースを歩く機会がありました。Cコースとなって、芝の傷んだ部分のほとんどがカバーされていました。それを思えば、ダービーの高速決着も納得できるものでした。

 そうなると、同じCコースで行なわれる安田記念も、馬場への適性が問われることになるでしょう。先週はダービーも含めて、インの前残りが多く、後方から差すのは至難の業でした。いかにアーモンドアイとて、昨春の桜花賞以来というマイル戦で流れに乗れないようなことがあれば、危ういのではないでしょうか」

 思えば、アーモンドアイもサートゥルナーリアと同じロードカナロア産駒。同じ父を持つだけに、今の高速馬場がマイナスに作用しても不思議ではない。

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