充実著しいリオンリオン。自ら作った流れでダービーでも逃げ切るか (2ページ目)
大一番を前にして、自らの走りをモノにしたリオンリオン。陣営も同馬の特長にマッチしたレーススタイルを見出せたことで、確かな手応えを得ているようだ。その様子を、関西競馬専門紙のトラックマンが伝える。
「リオンリオンはフットワークが大きく、ギアチェンジが遅い馬で、一瞬の切れ味よりも、ジワジワと長くいい脚を使うタイプ。その脚質に対して、自分のペースで逃げる形が合っていると、陣営も見ています。ダービーでも、『何が何でも逃げるとは限らないが、先行してしぶとさを生かす競馬になると思う』と話していました」
同馬はルーラーシップ産駒だが、同じ産駒のキセキ(牡5歳)は、やはり先行・逃げ切りのスタイルで、古馬のGI戦線で活躍している。キセキもフットワークが大きく、スピードの持続力を生かすためにこの戦法をとっており、先述のトラックマンは「(リオンリオンのスタイルは)キセキのレーススタイルとダブる」と言う。
なお、リオンリオンは、ここに来ての馬の充実ぶりにも目を見張るものがあるそうだ。
「2走前はスローペースで、展開の利を生かしての勝利。前走はかなり速いラップを刻みながらも、最後まで粘って押し切りました。陣営は『同じ逃げ切りでも、内容はまったく違う』と話していて、そこに成長の跡を見たようです。実際、走りのフォームが相当よくなっているみたいで、本番でも展開次第では面白い存在になりそうです」
横山典騎手が直前に騎乗停止となってしまったのは残念だが、ダービーの歴史を振り返れば、人気薄の先行馬が粘って波乱を演出したケースがしばしば見られる。皐月賞の上位組がけん制し合っている隙に、リオンリオンがまんまと逃げ切る――そんなシーンが生まれても不思議ではない。
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