3連続完勝のラヴズオンリーユー。魅惑の良血馬はクラシック級の評価 (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 もちろん、間近で管理するスタッフも、その素質の高さを認識しており、オークスに向けてもそれなりに手応えを感じているようだ。その様子を、関西競馬専門紙のトラックマンが伝える。

「矢作厩舎では、リアルスティールをはじめ、この血統を多数管理してきましたが、『ラヴズオンリーユーが、一番リアルスティールに似ている』と話しています。相当な切れ味の持ち主だと感じているようです。

 忘れな草賞では、騎乗したミルコ・デムーロ騎手が『まだ状態は完璧ではない』と話していましたが、それは、オークスを見据えての余裕残しの調整だったからでしょう。

 逆に言えば、陣営はその状態でも『勝てる』と踏んでいたわけです。それほど、この馬の能力に自信があるのだと思います。実際、『完璧ではない』状態で、3馬身差の圧勝ですからね。オークスがますます楽しみになりました」

 オークスでは、世代上位の面々と初めて対戦する。これまでとは相手が違うが、「ラヴズオンリーユーのここまでのレースを見る限り、十分に通用するでしょう」と、先述のトラックマンは語る。

「ラヴズオンリーユーの過去3戦は本当に強い内容でした。特に目を見張るのは、1、2戦目。初戦は、最後の1ハロンが持ったままで11秒0という速いラップを刻みました。さらに2戦目は、ラスト4ハロンがすべて11秒台。いずれも、2歳秋の牝馬が簡単に出せるものではありません。この数字だけでも"クラシック級"だと言えると思います」

 3戦無敗で別路線からオークスに臨むラヴズオンリーユー。桜花賞でしのぎを削った実力馬を蹴散らして、女王の座に就くことができるのか。"魅惑の良血馬"の華麗なる走りに注目である。

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る