平成最後の天皇賞・春は「華麗なる一族」の3頭が魅せる! (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 天皇賞に強い血統という点では、ステイゴールドの血も見逃せない。過去6年の天皇賞・春で、2013年、2014年フェノーメノ、2015年ゴールドシップ、2018年レインボーラインと、3頭の産駒が4勝しているのだ。

 今年の登録馬はエタリオウ(牡4歳/栗東・友道康夫厩舎)とパフォーマプロミス(牡7歳/栗東・藤原英昭厩舎)の2頭。

 エタリオウは昨年のGI菊花賞(京都・芝3000m)でもハナ差の2着に入っていて、距離とコース適性は実証済み。ただ、母の父カクタスリッジは、スピードタイプのストームキャット系の種牡馬で、現役時代は4.5ハロン(約900m)から8ハロン(約1600m)の距離で4戦4勝というスピードタイプだった。いくら父がステイゴールドで、母が9ハロン(約1800m)の米GI馬とはいえ、3200mのGIがイメージしにくい血統ではある。菊花賞の実績があるので気にしすぎる必要はないが、ちょっと気になるデータだ。

 一方のパフォーマプロミスは、母の父タニノギムレットがGI日本ダービー(東京・芝2400m)勝ち馬で、その産駒には同じく牝馬で日本ダービーを制したウオッカがいる。伯母にもGIオークス(東京・芝2400m)を勝ったシルクプリマドンナがいて、母の父の父ブライアンズタイムは三冠馬ナリタブライアンや天皇賞・春の勝ち馬マヤノトップガンを出している。数々の名馬を思い起こさせるこの血統背景も、平成最後のGIを締めくくるに相応しい馬と言えるだろう。

 以上、今年の天皇賞・春は、メジロ血統の血を受け継ぐグローリーヴェイズと、ステイゴールド産駒の2頭に注目したい。

■平出貴昭 著
『一から始める! サラブレッド血統入門』(KADOKAWA)

詳細はこちら>>

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る