2019.04.10

アンカツ自信の「3歳牡馬番付」。
皐月賞、ダービーの結果が見えた

  • 新山藍朗●取材・構成 text by Niiyama Airo
  • photo by Kyodo News

前頭筆頭:ランスオブプラーナ(牡3歳)
(父ケープブランコ/戦績:6戦3勝、2着2回、3着1回)

 前々走の500万下・アメリア賞(3月3日/阪神・芝1800m)、前走のGIII毎日杯(3月23日/阪神・芝1800m)と、2走続けて鮮やかな逃げ切り勝ちを収めた。この2戦が示すとおり、どんなメンバーでも楽にハナを切れるスピードは、この馬の最大の強み。そして、大崩れしない堅実性も大きな魅力だ。

 ここまでに挙げたメンバーをはじめ、クラシックで有力視される面々は差し、追い込み系の馬が多い。そうした状況にあって、常に先手をとれる力があるのは、それだけでも有利。もし、すんなり行かせてもらって、展開さえハマれば、上位に残る可能性も十分にあるのではないだろうか。

 過去のクラシックでも、逃げ、先行馬が何度なく波乱を起こしている。あまり軽視しすぎると、痛い目を見るかもしれない。

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 その他、世間的に人気を集めそうなのは、ラストドラフト(牡3歳/父ノヴェリスト)とか、ニシノデイジー(牡3歳/ハービンジャー)あたりだろうか。しかし、どちらもGII弥生賞(3月3日/中山・芝2000m)で結果を残せなかった(ラストドラフト=7着、ニシノデイジー=4着)。本番でも善戦止まりで、勝ち負けまではないと見ている。

 GIIIきさらぎ賞(2月3日/京都・芝1800m)を勝ったダノンチェイサー(牡3歳/父ディープインパクト)は、GI NHKマイルC(5月5日/東京・芝1600m)のあと、結果次第ではダービー挑戦という可能性もあるだろうが、いかにも距離が長い、という印象だ。

 惜しいのは、500万下のゆりかもめ賞(2月3日/東京・芝2400m)を圧勝したサトノジェネシス(牡3歳/父ディープインパクト)。番付上位に考えていたが、春は全休するとか。相当な能力の持ち主だったと思うので、本当に残念でならない。

 今年は結局、弥生賞、GIIスプリングS(中山・芝1800m)といった重要な前哨戦から本番に臨む有力馬が1頭もいない。これは昨今の、「強い馬ならトライアル→本番という、いわゆる王道ローテーションにとらわれる必要はない」といった考え方を反映しているように思う。

 何はともあれ、今春の牡馬クラシックは”サートゥルナーリアの1強”。この馬を負かすのは、至難の業だ。

安藤勝己(あんどう・かつみ)
1960年3月28日生まれ。愛知県出身。2003年、地方競馬・笠松競馬場から中央競馬(JRA)に移籍。鮮やかな手綱さばきでファンを魅了し、「アンカツ」の愛称で親しまれた。キングカメハメハをはじめ、ダイワメジャー、ダイワスカーレット、ブエナビスタなど、多くの名馬にも騎乗。数々のビッグタイトルを手にした。2013年1月31日、現役を引退。騎手生活通算4464勝、うちJRA通算1111勝(GI=22勝)。現在は競馬評論家として精力的に活動している。