アンカツ自信の「3歳牡馬番付」。
皐月賞、ダービーの結果が見えた

  • 新山藍朗●取材・構成 text by Niiyama Airo
  • photo by Kyodo News



横綱:サートゥルナーリア(牡3歳)
(父ロードカナロア/戦績:3戦3勝)

 今年の3歳牡馬の中では、この馬は1頭抜けている。無傷の3連勝で、どのレースも本当に強かった。

 前走のホープフルSでは、スタートしてサッと自分からハナに立った。そのままでも楽に勝てたと思うけれど、そこで、鞍上のミルコ・デムーロ騎手はあえて位置取りを下げた。番手の競馬とか、馬込みに入った時の競馬とか、そういうのを教えたかったのだろう。でもそれは、馬に対してよほどの自信がなければ、できることではないよ。

 そうして、直線を迎えると(前が壁になって)行くところがなくなってしまったが、前を行く馬の間にわずかな隙を見つけると、ものすごい脚でその間を割ってきた。あの脚こそ、"横綱の脚"だね。

 この馬は血統面もしっかりしている。兄のエピファネイアも、リオンディーズも"バケモノ級"の強さがあった。ただ、ちょっとクセのあるタイプで、それが災いして、ともにダービーを勝つことはできなかった。

 その点、この馬は乗りやすそう。操縦性に優れている、と言えばいいだろうか。そこが、この馬の一番の長所だね。兄たちと同等の能力があって、しかも兄たちに不足していた乗りやすさも備えているんだから、文句をつけようがない。

 皐月賞がホープフルSからのぶっつけになったことは、どこか悪いところがあったわけではなく、早くから決断されていたことを踏まえれば、むしろそれは、陣営の自信の表れ、と見るべきだろう。

 とにかく、ここまで3戦、どれも違う競馬で勝っているし、しかも楽勝。弱点らしい弱点も見当たらない。春のクラシックは2つとも、この馬でイケる。

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