桜花賞は、現役最強馬のノウハウを得たグランアレグリアが巻き返す (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Yamane Eiichi /AFLO

 血統面も好走を予感させるに十分だ。母タピッツフライは米国で走り、4歳時に本格化。5歳時のGIジャストアゲイムSでは芝8F(約1600m)を1分32秒34という好タイムで走破している。グランアレグリアは2歳戦から強い競馬を見せているが、さらなる成長力も期待できる。

 昨年の勝ち馬アーモンドアイは、桜花賞から先日のGIドバイターフまでGI5連勝を飾る"現役最強馬"に成長し、秋には世界最高峰のGI凱旋門賞を狙おうという馬になった。グランアレグリアも同馬に続く可能性を感じさせる馬であり、桜花賞の走りでそれを証明してほしい。

 その他にも魅力的な馬が揃う今回のレース。もう1頭、アクアミラビリス(牝3歳/栗東・吉村圭司厩舎)を挙げておきたい。同馬は前走のOPエルフィンS(京都・芝1600m)で、4コーナー10頭立て最後方から上がり3F33秒3という瞬発力を見せ、鮮やかな追い込みで勝利している。

 姉に2016年のエリザベス女王杯(京都・芝2200m)を制したクイーンズリング(父マンハッタンカフェ)がいる良血で、父ヴィクトワールピサは2016年の桜花賞勝ち馬であるジュエラーの父でもある。ジュエラーは4コーナー17番手からの追い込みだったので、アクアミラビリスは同じようなタイプだ。

 今回はジュエラーと同じミルコ・デムーロ騎手が騎乗するだけに期待も高まる。前目で競馬を進めるグランアレグリアを意識してダノンファンタジーが早めに動き、アクアミラビリスに展開が向くケースもあるだろう。今年の桜花賞はこの3頭の動きから目が離せない。

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