安藤勝己の「3歳牝馬番付」。
桜花賞、オークスで勝てる馬を決めた

  • 新山藍朗●取材・構成 text by Niiyama Airo
  • photo by Yasuo Ito/AFLO


横綱:グランアレグリア(牝3歳)
(父ディープインパクト/戦績:3戦2勝、3着1回)

 生まれ持った素質は、この世代では一枚上――そう思わせたのは、昨春のデビュー戦(6月3日/東京・芝1600m)。馬の完成度で言えば、同レースで2着に敗れたダノンファンタジーのほうが高かったが、その馬をまったく寄せつけずに完勝したのだ。

 そして、そのダノンファンタジーがその後、阪神JF、チューリップ賞と、いわゆる桜花賞への王道路線を歩んで連勝。この馬はその上にいるわけだから、「横綱」はこの馬、ということになる。

 前走のGI朝日杯フューチュリティS(12月16日/阪神・芝1600m)では3着に敗れたけれども、牡馬相手の一戦で、勝った馬に出し抜けを食らった感じだった。それまで楽な競馬ばかりだったから、ちょっと隙があって、そこを突かれた印象だ。決して力負けではないし、この馬の能力はあんなものではないと思う。

 一瞬でサッと抜け出す脚があって、前からでも、後ろからでもレースを進められ、どんな競馬にも臨機応変に対応できる。何よりスケールが大きいし、まだ完成途上で伸びしろもある。オークスまではこの馬で決まり、だろう。

 桜花賞に向けては、前走から間隔が開きすぎていることを問題視する人もいるみたいだけど、どこかが悪くて使えなかった、というわけではなく、ぶっつけのGIでも勝負になると見込んでのことだから、大きく割り引く必要はないと思う。

 もしかすると、オークスのあとの目標は、凱旋門賞なのかもしれない。それを考えれば、この時期は疲労を残さないためにも、使うレースは絞ったほうがいい。今回のぶっつけローテーションには、そんな思惑もあるような気がするね。

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