クロノジェネシス陣営には「打倒ダノンファンタジー」が見えている

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

2019年クラシック候補たち
第9回:クロノジェネシス

 桜前線が列島を縦断する最中、4月7日には3歳牝馬クラシックの第1弾となるGI桜花賞(阪神・芝1600m)が行なわれる。

 今年は、年末の2歳GI阪神ジュベナイルフィリーズ(12月9日/阪神・芝1600m)を制し、前哨戦のGIIチューリップ賞(3月2日/阪神・芝1600m)を快勝したダノンファンタジーの断然ムードにある。しかし、本番で虎視眈々と逆転を狙う馬も数多くいる。

 その筆頭と言えるのが、斎藤崇史厩舎(栗東トレセン)に所属するクロノジェネシス(牝3歳/父バゴ)だ。

桜花賞で戴冠を狙うクロノジェネシス桜花賞で戴冠を狙うクロノジェネシス 昨夏の小倉でデビュー戦を快勝した同馬は、2戦目で強豪牡馬も集うオープン特別のアイビーS(10月20日/東京・芝1800m)に挑戦。紅一点でありながら、牡馬顔負けの貫禄あるレースぶりを披露した。

 ゆったりした流れのなか、中団よりやや前目の内につけて追走。直線を迎えて馬群の中央へと持ち出すと、そこから前が開けた瞬間、力強く抜け出した。最後は余裕たっぷりの手応えで、ゴール板を通過。後続に2馬身差をつけて鮮やかな連勝を飾った。

 迎えた3戦目が、2歳女王を決める阪神JF。クロノジェネシスはダノンファンタジーに次ぐ2番人気に支持された。だが、スタートで痛恨の出遅れ。18頭立ての17番手という苦しい位置取りとなった。

 それでも、4コーナーでは前にいたダノンファンタジーに外から並びかけ、直線では馬体を併せての叩き合いとなった。互いに譲らぬ、熾烈な争いとなったが、ゴール直前でライバルに振り切られて敗戦。半馬身差の2着に終わった。

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