アーモンドアイがドバイWCに出走。有力な日本馬のリアル評価に迫る (2ページ目)

  • 土屋真光●文・撮影 text & photo by Tsuchiya Masamitsu

 もうひとつ、日本調教馬が3頭出走するのが、ドバイシーマクラシック。今年はレイデオロ(牡5)、スワーヴリチャード(牡5)、シュヴァルグラン(牡7)の3頭が挑戦する。

 レイデオロは昨年、海外ブックメーカーでも2番人気に推されながら4着に終わっている。昨年秋の天皇賞を勝ち、タイトルを上積みした今年はリベンジを果たせるか。また、スワーヴリチャードにとっては初の海外遠征となるが、昨年勝ったGI大阪杯(阪神/芝2000m)を蹴ってこちらに来ているだけに、"本気度"はかなり高いと見ていい。そんな充実ぶりは海外ブックメーカーにも反映されていて、シュヴァルグランを含めた3頭の前売りオッズは10倍以下を示している。

 この2つのレースに先んじて行なわれるドバイゴールデンシャヒーンには、昨年のこのレースで5着だったマテラスカイ(牡5歳)が出走する。

 昨年、一昨年と連覇したマインドユアビスケッツは不在だが、昨年2着のエックスワイジェット(せん7歳)、3着のロイエイチ(せん7歳)はともに出走。さらに、アメリカでGIを2勝のインペリアルヒント(牡6歳)もおり、かなり"骨っぽい"メンバーとなっている。それもあってか、ブックメーカーでのマテラスカイのオッズでは約50倍と、完全に大穴扱い。しかし昨年の走りを考えれば、この評価以上の結果は当然期待できる。

 トリを飾るドバイワールドカップには、昨年のJBCクラシックなどを制しているケイティブレイブ(牡6歳)が参戦する。こちらはマテラスカイ以上に難敵が揃ったレースとなった。

 まず、昨年の勝ち馬サンダースノー(牡5歳)、前哨戦の勝ち馬であるノースアメリカ(せん7歳)とキャッペッザーノ(せん5歳)の地元UAE勢。さらに日本産ながらアメリカの芝ダートGI勝ち馬ヨシダ(牡5歳)、昨年のケンタッキーダービー3着馬のオーディブル(牡4歳)、昨年のブリーダーズカップクラシック2着馬ガンナヴェラ(牡6歳)、今年のペガサスワールドカップ2着馬シーキングザソウル(牡6歳)らアメリカ勢が、高い壁となって立ちはだかる。

 加えて、今年のメイダン競馬場のダートは、4コーナーで先頭グループにいないと勝負にならない特殊な馬場状態。もともと先行脚質のケイティブレイブではあるが、どこまでアメリカ勢主体のスピード競馬に対応できるかがカギになるだろう。

 昨年は、海外GI勝利がゼロに終わっている日本調教馬。その雪辱を果たすという意味でも、また、アーモンドアイにとっては先々の凱旋門賞挑戦を占う上でも、好結果を期待せずにはいられない。2年前、3年前のように、またこの地で日の丸が掲げられることを期待したい。

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