桜花賞へ直行するフィリアプーラ。異例のローテはもはや現代の定番か (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 2011年のGI朝日杯フューチュリティS(中山・芝1600m)を勝ったアルフレードを兄に持ち、もともと血統的にも期待されてきたフィリアプーラ。初陣となった昨秋の2歳新馬(10月14日/東京・芝1800m)では3着に敗れたものの、勝ち馬とタイム差なしの接戦を演じ、メンバー最速タイとなる上がり33秒5をマークして素質の高さを示した。

 続く12月の未勝利戦でしっかり勝ち星を挙げると、3戦目には重賞に挑戦。フェアリーSへと駒を進めたのである。

 最内の1番枠を引いたフィリプーラは、じっくりと中団の内目を追走。そして、4コーナーを前にして、一気に外へと持ち出した。直線を迎えると、そのまま大外から強襲。内側の馬群をじわじわと捉えていって、ゴール前できっちり先頭に立って勝利した。

 この結果をもって、陣営は直行での桜花賞参戦を早々に宣言。じっくりと間隔をあけて、春のひのき舞台へ向かうことになった。

 この"直行"という陣営の選択には、フィリアプーラの体質的な特徴も考慮して、とも言われている。関東競馬専門紙のトラックマンがその辺りの事情を明かす。

「事実、フィリアプーラは440kg以下と小さめの馬体で、レースごとに体重が減っていました。陣営も『レースを使うと、体が減ってしまうタイプ』と話しており、そうした点を踏まえて"直行"にしたのは間違いないでしょう。

 とはいえ、昨年のアーモンドアイをはじめ、最近はレース間隔をあけた"直行"でGIを制するパターンも増えています。調整面では、それほど不安要素にはならないと思います」

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