大荒れの前哨戦→スプリングSも濃厚。今の中山好き3頭が波乱を生む (4ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 実は松田記者には、このシークレットラン以上に注目している馬がいる。前走のGIホープフルS(2018年12月28日/中山・芝2000m)で4着だったコスモカレンドゥラ(牡3歳)だ。

「もともとスプリングSは先行有利で、コスモカレンドゥラは馬場状態なども加味して狙いたい1頭です。前走のホープフルSでは、外枠から果敢に逃げてコンマ6秒差の4着。道中でペースをうまくスローに落としたものの、最後は切れ味鋭い上位勢に捕まってしまいました。とはいえ、ゴールまで脚はあがっておらず、粘りが光る競馬でした。

 今回は、そのホープフルS以来となる2カ月半ぶりの実戦。2走前の黄菊賞(2018年11月11日/京都・芝2000m)1着後に短期放牧を挟んでいますが、心身のメンテナンスにここまでの時間を割いたのはこの中間が初めて。その点を不安視する人もいるかもしれませんが、同馬を管理する田中博康調教師によれば、心身ともに状態はよさそうです。

 3走前、2着となったアイビーS(2018年10月20日/東京・芝1800m)の勝ち馬は、GI阪神ジュベナイルフィリーズ2着馬で、GIIIクイーンCを快勝したクロノジェネシス。3歳牝馬の頂点を争う馬と差のない競馬をしていたことを考えれば、その素質はここでは間違いなく上位です。

 田中調教師は、今回の1ハロンの距離短縮を歓迎。レースでは、気持ちにゆとりを持って先行策を打つことができれば、2番手追走から4角で先頭に立って、最速上がりで突き抜けた黄菊賞の再現があってもおかしくありません」

 一方、木村記者ももう1頭、推奨馬の名を挙げる。未勝利戦を勝ったばかりのニシノカツナリ(牡3歳)だ。同世代の重賞2勝馬ニシノデイジーと同じく、名牝ニシノフラワーの血を引いている。

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