大荒れの前哨戦→スプリングSも濃厚。今の中山好き3頭が波乱を生む (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 母ディープインアスク(未勝利)も短い距離を使われてきた馬で、近親も短距離馬ばかり。折り合い重視の競馬で、末脚届かず、のシーンがあっても何ら不思議ではありません」

 さらに松田記者は、現在の馬場状態からもファンタジストへの疑問を呈す。

「この時期の中山・芝では、年によって、荒れた内ラチ沿いを嫌った先行馬が4角から直線入口にかけて外目に進路を取ることがあります。昨年はまさにそうした馬場にあって、先週の中山・芝レースを見ると、今年もそれに似た状態になりつつあります。差しに徹しそうなファンタジストにとっては、そんな馬場状態も見えない敵になるかもしれません」

 この馬場状態からもう1頭の人気馬、目下2連勝中のヒシイグアス(牡3歳)に疑いの目を向けるのは、デイリー馬三郎の木村拓人記者だ。

「ヒシイグアスからはスケールの大きさを感じますし、ここであっさり勝ってもまったく驚けない馬です。しかし今回に限っては、今の馬場がどうかな? と思います。この馬は前進気勢が強く、それを抑えようとすると、今の馬場ではスタミナを余計に消費してしまうのではないかな、と思うわけです」

 こうして人気馬に不安があることを鑑(かんが)みて、木村記者はシークレットラン(牡3歳)に注目する。

「シークレットランは、2走前の葉牡丹賞(2018年12月1日/中山・芝2000m)でレコード勝ちを収めているものの、父はダンカークで、本質的にパワータイプです。その分、今の中山の馬場状態は大歓迎と言えます。

 人気を裏切った前走のGIII京成杯(4着。1月14日/中山・芝2000m)は、12kg増とちょっと体に余裕がありましたし、レース中の反応もあまりよくないように見えました。それに、京成杯よりもスプリングSのほうが展開も流れやすいですし、この馬には向くはず。前回狙っていた人ならなおさら、人気の落ちた今回で買わない理由はないと思いますよ」

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