GI回避がプラスに。アウィルアウェイが
パワーアップして復活!

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 3戦目は、有力牡馬も集うGII京王杯2歳S(11月3日/東京・芝1400m)に挑んだ。スタートはおおよそ五分に切るも、二の足がつかずに位置取りはまたも後方へ。それでも最内に進路をとって、直線では目前にいる人気のファンタジストの動きを見つつ、ほぼ同時に仕掛けていった。

 先に抜け出すファンタジストを懸命に追いかけるアウィルアウェイ。最後はほとんど馬体を並べてゴール板を通過したが、わずかハナ差屈して2着となった。

 勝ったファンタジストは、このレースの前にGIII小倉2歳S(9月2日/小倉・芝1200m)を制覇。さらにこのあと、GI朝日杯フューチュリティS(12月16日/阪神・芝1600m)でも4着と奮闘した実力馬である。それほどの馬を最後に追い詰めたことを考えれば、「負けて強し」の内容だった。

 通常であれば、アウィルアウェイはこのあとGI阪神ジュベナイルフィリーズ(12月9日/阪神・芝1600m)に向かうところだが、軽傷を負ったため、同レースは大事をとって回避。休養に入った。

 そして、クラシック本番を前にして、GIIフィリーズレビュー(3月10日/阪神・芝1400m)で復帰する予定だ。アウィルアウェイのここまでの過程について、関西競馬専門紙のトラックマンが振り返る。

「年末のGIに向かわなかったのは、前走後に球節を捻挫したためのようです。それでも、『休ませたことで、馬体に幅が出てパワーアップした』と高野調教師は話していますし、調教の動きも文句ありません。『乗りやすさも増した』とのことで、休んだことがプラスに働くのではないでしょうか」

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