名手ルメールが「相当な馬」と絶賛。大一番へ夢膨らむラストドラフト (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 この重賞勝利によって、一躍クラシックの有力候補に躍り出たラストドラフトだが、もともと陣営の評価は極めて高かったという。関東競馬専門紙のトラックマンがその点について語る。

「ラストドラフトは今の時代には珍しく、ずっと厩舎に滞在して調教を行なっています。これは、管理する戸田調教師が惚れ込んでいるからこそ。初めてトレセンに来て、最初に調教師がまたがったときから、かなりの素質を感じたようですね。

 厩舎スタッフによると、デビュー戦では33秒台の末脚を使った裏側で『手前を3度も直線で替えるなど、幼さを見せていた』とのこと。それで、あの走りですから、陣営としてはさらに評価を高めることになったようです」

 デビューから2戦は、クリストフ・ルメール騎手が騎乗。次走のGII弥生賞(3月3日/中山・芝2000m)でもコンビを組む予定だが、クラシック本番のGI皐月賞(4月14日/中山・芝2000m)では、ルメール騎手は"ライバル"サートゥルナーリア(牡3歳)の鞍上を務めることがすでに発表されている。

 しかしながら、同騎手のラストドラフトへの評価もかなり高いという。トラックマンが続ける。

「京成杯では、4コーナーで他馬に並ばれたとき、耳を絞る(※耳を後ろに伏せるような状態。不快なときなどに見せると言われ、集中を欠くケースが多い)場面があったと言います。にもかかわらず、そこからエンジンをかけ直して勝利。ルメール騎手は、レース後に『相当な馬だよ』と話していたようですね」

 陣営、そしてその背中を知るトップジョッキーが一様に高い評価を口にしている。とすれば当然、母子2代によるクラシック制覇への夢は広がるばかりだ。

 レースではまだ幼さを見せている分、伸びしろも十分。はたして、ラストドラフトは春の大舞台でどんな走りを見せるのか、大いに注目である。

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る