共同通信杯、人気の実績馬2頭を負かすのは東京コースが合うあの馬だ (3ページ目)

 同世代の牡馬には、ホープフルSを勝ったサートゥルナーリアを筆頭に、オープン馬がたくさんいます。それで、エングレーバーが先週のきさらぎ賞に出走したときにも感じたのですが、同じクラブ馬同士がかぶらないように、レースを使い分けている印象があります。

 結果として、エングレーバーは最下位に敗れましたからね。敗れた理由は他にもいろいろとあると思いますが、一抹の不安を感じます。

 これら前述の2頭に肉薄する馬、すなわち"第3の存在"となるのは、ダノンキングリー(牡3歳)でしょう。この馬を今回の「ヒモ穴馬」に指名したいと思います。

一発の可能性を秘めているダノンキングリー一発の可能性を秘めているダノンキングリー ここが重賞初挑戦。実績的には先に挙げた2頭に劣りますが、東京コースで行なわれた新馬戦(2018年10月8日/東京・芝1600m)を勝っており、舞台経験があることは、ひとつのアドバンテージになります。

 東京コースというのは、直線が長く、坂もありますが、4コーナーを回るあたりに残り600mの標識があります。要するに、残り3ハロンはほぼ直線となるため、他の競馬場に比べて上がりのラップは速くなります。今の時代、33秒台は当たり前で、レース次第では33秒台前半、時に32秒台という驚異的な数字が計時されることもあります。

 ということは、それだけの決め手、瞬間的に速い脚を繰り出せるかどうかが求められるコースです。

 新馬戦でのダノンキングリーは、レースの上がりが34秒0というなか、道中好位でレースを進めながら、自身33秒4の上がりをマークして勝利しました。8枠17番発走から前のほうにつけて、終(しま)いもしっかりと決め手を発揮。その内容から、十分に能力の高さを感じました。

 また、このレースの2着~4着馬はその後のレースですでに勝ち上がっており、レース自体のレベルが高かったことを証明。ダノンキングリーの強さを一層引き立てました。

 そうしてダノンキングリーは、前走の500万特別・ひいらぎ賞(2018年12月15日/中山・芝1600m)、トリッキーな中山・芝マイル戦を舞台にして、その強さを存分に見せつけました。

 またも8枠15番という大外発走ながら、中団で折り合いをつけて追走。3、4コーナーでは終始外目を回らされるも、直線に入ってから楽々と抜け出して、1分33秒7の好タイムで勝利を飾りました。後続に3馬身半をつける圧勝で、まだまだ余力があったことには驚かされました。

 例年よりも、時計がひとつ(約1秒)速い馬場だったと思うでの、勝ち時計の速さだけを見て高評価を与えるのは早計かもしれませんが、それだけ速い脚を使ったことは事実。それこそ、東京コースでは大きな武器になるでしょう。

 人気の実績馬2頭を、まとめて負かす可能性を感じる1頭です。新たなクラシック候補が、また出現するかもしれませんよ。

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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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