デビュー4戦4勝のアドマイヤマーズ。2歳王者はとにかく抜かせない (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 道中、2番手につけたグランアレグリアの直後にポジションを取り、直線入口を迎えると一気にスパート。グランアレグリアに対して、まるで威嚇するような形で外に併せると、そのまま先頭に立ってグランアレグリアを振り切った。さらに後続の追撃も難なく抑え、2馬身差の完勝劇を披露して4連勝を決めた。

 ここまでのアドマイヤマーズのレースぶりから、何より際立っているのは"勝負強さ"だ。その能力の根源はどこにあるのだろうか。関西競馬専門紙のトラックマンはこう分析する。

「アドマイヤマーズの最大の武器は、『とにかく抜かせない』という気持ち、闘争心ですよね。この点については、主戦ジョッキーを務めるミルコ・デムーロ騎手や厩舎のスタッフが皆、口をそろえて称えています。4戦の中には接戦もありましたが、おそらくどこまでいっても抜かせなかったでしょう」

 同馬は、年明けの始動戦をGIII共同通信杯(2月10日/東京・芝1800m)に設定。そこから、クラシック第1弾のGI皐月賞(4月14日/中山・芝2000m)に臨む予定となっている。

 このローテーションを陣営が選んだ意図について、戦術のトラックマンはこう説明する。

「4戦ともマイル(1600m)戦だったので、1800mから2000mへと徐々に距離を延ばしたかったそうです。とにかく、闘争心が強いので、距離を延ばすうえでは、テンションを上げないことも重要。その点でも、このローテーションがよかったようですね。

 なお、距離適性を考えて、皐月賞のあとはGI日本ダービー(5月26日/東京・芝2400m)だけでなく、GI NHKマイルC(5月5日/東京・芝1600m)も視野に入れているみたいですよ」

 まずは共同通信杯に向けて、入念な調整を重ねているアドマイヤマーズ。春の大一番に向けて、希望が膨らむレースを見せたいところだ。

 まして、同世代にはもうひとつの2歳GIホープフルS(12月28日/中山・芝2000m)を3連勝で制したサートゥルナーリアがいる。そのライバルと無敗で顔を合わせるためにも、ここは負けられない一戦となる。

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