少頭数のきさらぎ賞は中穴狙い。人気の盲点となる2頭にウマ味あり (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 今年は、ヴァンドギャルド、ダノンチェイサー(牡3歳)、メイショウテンゲン(牡3歳)と3頭のディープ産駒が出走。大野記者はこの中に「一発を秘める馬がいる」と言う。

「(馬券的な)妙味があるのは、メイショウテンゲンです。母は、GII日経新春杯(京都・芝2400m)、GII京都大賞典(京都・芝2400m)を勝っており、GIエリザベス女王杯(京都・芝2200m)2着の実績を持つメイショウベルーガ。力強さは、その母譲りです。

 ただ、同時に気性面の難しさも受け継いでしまったのか、なかなかレースに集中することができず、未勝利を抜け出したのは4戦目の前走(12月28日/阪神・芝1800m)でした。その分、人気は他馬に譲ることになるでしょうが、この馬、奥は深いと思うんです。

 というのも、勝った前走も直線で外へ逃げながら走っていて、まともなレースをしていたわけではないんです。にもかかわらず、最後はグイグイと脚を伸ばして、後続に2馬身差をつけて快勝。『まともだったら......』と思わずにはいられません。

 さらにディープ産駒ながら、今の時計のかかる京都の馬場が合いそうな点も、買い材料のひとつです。切れ味には欠けるものの、簡単にはバテませんし、ここでもしぶとい末脚を信頼していいと思いますよ」

 過去5年だけ見れば、ディープ産駒は毎年連対していて、2016年には1~3着までを独占している。勝ち味に遅かった一方で、崩れることがなかったのは、実力がある証拠。未勝利を勝ち上がったばかりとはいえ、経験豊富なメイショウテンゲンが大駆けを見せてもおかしくない。

 重賞での好走歴がある実力馬があらためて結果を出してクラシックの有力候補に浮上するのか。はたまた、意外な馬が新たなクラシック候補として名乗りを上げるのか。どちらにせよ、今春の大一番を占ううえでも、見逃せない一戦であることは間違いない。

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