偉大すぎるスプリント王と女王の子。カレンモエの潜在能力に期待大だ (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Kyodo News

 その牡馬こそが、ロードカナロア。すなわち、カレンモエの父である。

 春の高松宮記念では、カレンチャンに敗れて3着だったロードカナロア。だが、以降に本格化し、スプリンターズSでカレンチャンを負かしてGI初制覇を決めると、一気にスターダムへとのし上がっていった。

 スプリンターズSを勝ったあとは、「スプリント王国」と呼ばれる香港に遠征。日本の調教馬として、初めてGI香港スプリント(香港・芝1200m)を制したのである。

 翌年(2013年)も、圧巻の競馬を披露。高松宮記念を完勝してスプリントGIの秋春連覇を果たすと、マイルGIの安田記念(東京・芝1600m)にも挑戦し、見事に"2階級制覇"を成し遂げた。

 さらに秋には、スプリンターズS、香港スプリントと、ともに連覇を達成。「絶対王者」と称されたスプリント王は、GI通算6勝を挙げて、日本の競馬史にその名を刻む活躍を見せた。

 そんなカレンチャンとロードカナロアとの配合によって生まれたカレンモエ。現在は、偉大な父と母が育った同じ安田厩舎に所属し、デビューに向けて準備を進めている。その様子を、関西競馬専門紙のトラックマンが伝える。

「カレンモエは、昨年11月にゲート試験に合格。その後、いったん短期放牧に出されて、今またデビューへ向けてトレセンで調整されています。

 父母ともに、現役時代に素晴らしい成績を残していますし、ロードカナロアは種牡馬デビューした年から活躍産駒を多数輩出しています。血統面から考えて、カレンモエが高いポテンシャルを秘めている可能性はあるでしょう」

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