荒れるシルクロードS。今の荒れた
京都に合う「荒ぶる3頭」がいた

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 GI高松宮記念(3月24日/中京・芝1200m)の前哨戦のひとつ、GIIIシルクロードS(京都・芝1200m)が1月27日に行なわれる。

 同レースはスプリント界の「出世レース」とも言われ、昨年の覇者ファインニードルがその後にスプリントGIの春秋連覇を達成。2014年の勝ち馬ストレイトガールもそれ以降にGI3勝を挙げて、GI通算6勝を挙げた"絶対王者"ロードカナロアもここを勝って一気にスターダムにのし上がった。

 その一方で、過去10年の1番人気の成績を見てみると、2勝、2着1回、3着0回、着外7回と、かなりの苦戦を強いられている。そのため、3連複でも過去10年のうち7回が万馬券となっていて、3連単は過去10年すべてが万馬券。しかも、毎年4万円以上の好配当となっており、波乱傾向が強いレースだ。

 そして今年は、「ファインニードルが引退してなおのこと、この高松宮記念の前哨戦は『混戦模様にある』と言っていいでしょう」と語るのは、スポーツ報知の坂本達洋記者。昨秋のGIスプリンターズS(2018年9月30日/中山・芝1200m)で、ファインニードルの2着だったラブカンプー(牝4歳)が出走してくるものの、当時の勢力図のままでは「収まらないでしょう」とも分析している。

「ラブカンプーは、とにかく堅実で崩れていません。とはいえ、スプリンターズSは、逃げるワンスインナムーンを見る形で、内でロスなく運んで2着。同じく3、4番手でスムーズに運んだラインスピリット(牡8歳)が3着と、展開がハマッた面も大きいと思います。あの前残りの展開で、1頭だけ差してきたファインニードルは別格だったわけで、その他に抜けた馬がいないというのが、スプリント路線の現状でしょう」

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