菊花賞馬フィエールマンに不安。AJCCは中山巧者にここぞとお任せ (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 しかし、日刊スポーツの木南友輔記者は、今回の舞台に臨むフィエールマンには疑問の目を向ける。

「フィエールマンの過去4戦の中で、そのパフォーマンスがもっとも微妙に思えたのが、2戦目の500万特別・山藤賞(2018年4月14日/中山・芝1800m)でした。レース自体は勝っており、後続との着差も2馬身半差をつけていて、僅差だった新馬戦(2018年1月28日/東京・芝1800m)や菊花賞よりも完勝だったわけですが、現地で見ていて、その2戦よりもインパクトに欠けるレースでした。

 当時は同馬を管理する手塚貴久調教師も、新馬戦のときより『状態は下』とはっきり言っていたので、それが理由かもしれません。でも、あのときのレースを見た感覚を思い出すと、もしかすると"中山が得意ではないのかも"......そんな想像もできてしまうんですよね」

 だからといって、フィエールマンにひと泡吹かせるような馬がいるのだろうか。木南記者は、「"ここぞ"とばかりに出てくる"中山巧者"ががんばりそうです」と言う。

 中山での重賞勝ち馬を挙げれば、ジェネラーレウーノ(牡4歳)をはじめ、ダンビュライト(牡5歳)、シャケトラ(牡6歳)と3頭いるが、木南記者が推すのは別の馬だった。

「まず面白いのは、ミライヘノツバサ(牡6歳)です。この馬は重賞勝ちこそありませんが、冬の中山でとにかく走る。芝の内回り、外回りは問わず、何より最後の坂の粘りが特筆ものなんです。

 脚部不安で4歳春から5歳秋まで、およそ1年半休養。今回が復帰3戦目になりますが、先に登録していた先週の日経新春杯を見送って、こちらに参戦してきました。もちろん、最初から両にらみだったわけですが、よりチャンスのあるほうを選んだ格好です」

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