素質ある1勝馬が集う京成杯。一発狙うなら人気急落の「異色の存在」 (3ページ目)

 今回は、レースを経験したことでの上積みもあるでしょうし、この1カ月あまりでの成長も少なからず見込めます。前走の内容だけでは足りないと思いますが、そのプラスアルファーがあれば、勝ち負けの可能性は十分にあるでしょう。

 ここまで、将来性を見込みつつ、素質がありそうな1勝馬を取り上げてきましたが、このレースの「ヒモ穴馬」には2勝馬を取り上げたいと思います。前走の東スポ杯2歳Sで大敗(13着)を喫し、人気が急落しそうな地方馬のナイママ(牡3歳)です。

京成杯での巻き返しが期待されるナイママ京成杯での巻き返しが期待されるナイママ 前述した面々とは一転して、ナイママは地方・門別競馬からデビューし、前走からは同じく地方の川崎競馬へ移籍。すでに5戦を消化しており、この時期の3歳馬としては、豊富なキャリアがあります。それがゆえに、前走の大敗で底が見えたように思われて、かなり人気を落とすのではないでしょうか。

 しかし、昨夏の北海道シリーズ、オープン特別のコスモス賞(1着。2018年8月11日/札幌・芝1800m)、GIII札幌2歳S(2着。9月1日/札幌・芝1800m)でのレース内容は秀逸でした。もちろん、洋芝適性の高さや北海道の環境が合っていたことなどが好走の要因である可能性はありますが、1回の大敗だけで見限るわけにはいきません。

 札幌での2戦はともに、前の馬を捕らえようとする、非常に前向きないい走りをしていました。しかも、コスモス賞で2着に退けたのが、次走の東スポ杯2歳Sで2着となったアガラス。札幌2歳Sで競り合ったのも、同じく東スポ杯2歳Sを制したニシノデイジー(1着)と、その後にGIII京都2歳Sを勝ったクラージュゲリエ(3着)ですからね。

 その結果だけみれば、ナイママが東スポ杯2歳Sで2着に入っていてもおかしくありませんでした。ただ、そうはならないのが競馬。なかなか計算どおり、実力どおりに収まることはありません。

 とはいえ、ナイママにはそれだけの実績があることは事実。13着と大敗した前走には、そうなる理由がおそらくあったと思います。

 それが、出来なのか、イレ込みなのか、それとも脚もとの不安なのか、あるいはレース中のトラブルなのか、その理由が何かはわかりませんが、門別から川崎へ移籍しての競馬も今回が2回目。何かしら、対策を講じてくるはずです。

 それによるプラス材料、上積みが見込めるならば、ここではまだ見限れないと思います。一発あっても、不思議ではありません。

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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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