キスラーは高価格高評価の良血馬。
武豊を背にクラシックに向かえるか

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO


「レジェンド」武豊騎手がキスラーと新たな伝説を作るか「レジェンド」武豊騎手がキスラーと新たな伝説を作るか ちなみに、同馬のオーナーであるキーファーズは、武豊騎手に絶大な信頼を寄せていることでも知られる。キスラーも、おそらくデビュー戦は彼が手綱を取ることになるだろう。昨年、JRA通算4000勝という前人未到の大記録を達成したレジェンドが、そこで同馬に対してどんな評価を下すのか、その点も注目される。

 キスラーは現在、トレセンで精力的な調整を行なっている。そこでのスタッフの評価は、概ね高いそうだ。その様子を関西競馬専門紙のトラックマンが明かす。

「池江厩舎では兄のカザンも管理していましたが、キスラーは兄とはタイプが違うようです。スタッフによれば、『(キスラーは)スピードがあって、形がまとまっている』とのこと。『競走馬として、アカ抜けている』とも話しています。

 その口ぶりからすると、上々の手応えを得ていることは間違いありません。(カザンよりも)キスラーの能力のほうが高い、といった評価であることも十分に伝わってきました」

 デビューが年明けと遅くなったが、体質の弱さなどは現時点で特にないという。調整はいたって順調であることを、先述のトラックマンが伝える。

「入厩してからは、問題なく坂路で調教を積んでいます。体質面で気になるところも見当たらないそうで、1月中にはデビューするでしょう。このままスムーズにいけば、いい仕上がりで初戦を迎えられるのではないでしょうか」

 昨年、重賞を制した面々が早くもクラシックの主役候補に挙げられているが、デビュー戦のレースぶりによっては、キスラーがその候補に加わってもおかしくない。"レジェンド"武豊騎手を背にして、そんなクラシックの勢力図を塗り替えるような走りを見せてくれることを期待したい。

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