横山ルリカが選んだ、2018年「ベストレース&ベストホース」 (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai keijiro

【開成山特別】

「史上最強の障害馬」と呼ばれるオジュウチョウサンが、平地に戻ってきた開成山特別は忘れられません。福島競馬場がすごい数の人で溢れ、500万下のレースがGIのレースに思えるくらい競馬場の空気を変えてしまった馬は、この先もなかなか出てこないんじゃないかと思います。

 ゲートが開いた瞬間から、「出たー!」と大歓声だったんですよ(笑)。最後もオジュウチョウサンが抜け出したところで、ものすごい拍手が起きました。

 4コーナーを回ってくるときのオジュウチョウサンが、闘牛みたいに迫力があったのも印象的でした(笑)。それを生で見られたのも、イベントに呼んでくださったグリーンチャンネルさんのおかげです(笑)。

【ジャパンカップ】

 ジャパンカップでは、3歳牝馬のアーモンドアイが古馬の一線級の牡馬相手に「こんなレースをされたら誰も勝てない」という強さを見せつけてくれました。

 馬だから年齢による差がわかりにくいですが、人間に置き換えたら、成年男性たちの中に女子高生がひとり混ざっているようなものですからね(笑)。「1枠1番だったのが有利だった」とも言われていますけど、スタート次第では不利にもなる枠で、「決めるときに決める」のが名馬の強さ、すごさだと感じました。

 細江純子さんから「1枠1番に入ったことで最終馬の14番ウインテンダネスとの間隔を十分に取ることができ、パドックで牡馬に挟まれず、気分よく周回できたとが勝利につながったのではないか」というお話を聞いて、なるほどと思いました。レースでも、もっと後ろにいるのかと思ったら、先行するキセキをしっかり見る位置だったので「そこいるの!?」と声が出ちゃいました。あんな位置で競馬をされたら、後ろの馬にはチャンスがないですし、「弱点ないでしょ!」と思い知らされる強さでしたね。

■ルリカ的名馬2018ベスト3

 3頭のうち2頭はオジュウチョウサンとアーモンドアイなので割愛しますが、もう1頭は3歳牝馬のラブカンプーです!

短距離のレースで活躍したラブカンプー photo by Ito Yasuo/AFLO短距離のレースで活躍したラブカンプー photo by Ito Yasuo/AFLO ラブカンプーちゃんは「本当にすごい!」と思いました。小柄な牝馬で、今年だけで9つもレースを使っているにも関わらず、馬体を減らさずにいい結果を出し続けられるんですからね。

 ハイペースで先行して粘るレーススタイルで、根性がすごいところが同じ女として憧れるし応援したくなるんです。「使い詰め」「雨や坂は不利」「相手強化でどうか?」など、いろいろ言われながらも、雨だろうが坂だろうが、セントウルSもスプリンターズSも好走して、終わってみれば芝1200mの重賞で4着以下がないってすごいですよね。GI馬ではないんですが、今年の"特別賞"を直接表彰したいぐらいです!

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