有馬記念は荒れる。穴党記者が送る「3頭」のクリスマスプレゼント (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

「ジャパンC(11月25日/東京・芝2400m)の前には、『精神状態がえらい変わった。きかん坊だった馬が1年間で大人になった』(横山典騎手)と、ミッキースワローの成長を認めていました。実際、前走のジャパンCではレコード決着の5着に敗れましたが、上がり3ハロン33秒9はメンバー最速。ゴール前で追い込んできた脚には鳥肌が立ちました。

 ミッキースワローを管理する菊沢隆徳調教師も、有馬記念を前にして『前走以上を』と期待をかけるように、中山は合います。自慢の切れ味が生きる展開になれば、大物食いも夢ではありません」

 片や、吉田記者は「ファン投票で人気の上位10頭の枠に入っていない馬が穴馬として大きな破壊力を持つ」として、"上がり馬"を推奨する。

「妙味があるのは、パフォーマプロミス(牡6歳)です。今年初めのGII日経新春杯(1月14日/京都・芝2400m)を制していますが、同馬を管理する藤原英昭調教師の当時の評価は、『まだ体質が弱く、本当によくなるのはもっと先だと思う』というものでした。

 そして今秋、復帰戦に予定していたGII京都大賞典(10月8日/京都・芝2400m)は感冒のために取り消しとなりましたが、立て直して挑んだGIIアルゼンチン共和国杯(11月4日/東京・芝2500m)を勝利。超スローペース+直線の長い東京コースとはいえ、今まで使ったことのない上がり32秒6という末脚を繰り出しての完勝でした。6歳の秋にして、ようやく完成形に近づいてきたと判断していいでしょう」

 この秋はこれが2戦目。他の馬と比べて消耗は少ない。その分のアドバンテージがあるうえ、さらに「成長も見込める」と吉田記者が言う。

「(パフォーマプロミスの)馬体はより研ぎ澄まされてきた印象を受け、1週前追い切りに騎乗したクリスチャン・デムーロ騎手とのコンタクトも申し分ありませんでした。真一文字に伸びて、僚馬を一気に突き放す豪快なデモンストレーションは、多大な上積みの証明と言っていいでしょう。少しでも時計がかかる流れになれば、一発の魅力は十分です」

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