2018.12.20

横山ルリカは有馬記念で号泣必至。
あの馬を「本命にせざるを得ない」

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai keijiro

今年の有馬記念が引退レースになるサトノダイヤモンド photo by Ito Yasuo/AFLO

 新馬戦に出る前にネットの記事で、「額の白い部分がダイヤモンドみたいになっている、ものすごい高い馬」がいると知り、どんな馬なんだろうと思い実際に新馬戦を見たら、1頭だけ輝いて見えて走っている姿もケタ違いに美しくて。

 2歳馬って、かわいらしい感じで走るとどこに行っちゃうかわからない危うさもあるんですが、サトノダイヤモンドにはそういうものがまったくありませんでした。優等生でイケメンで凛々しくて。その走る姿に魅了されすっかり心を奪われてしまい、「これからこの馬をずっと追いかけて応援していこう」と決めたんです。今では、返し馬だけでご飯3杯いけるくらいです(笑)。

 2016年のダービーでは、ゴール前の大接戦をマカヒキにハナ差で負けた悔しさと、そのレースを制した川田将雅騎手の男泣きにも感動しました。そして、クラシック三冠最後の菊花賞では「ディープインパクト産駒は菊花賞を勝てない」というジンクスを吹き飛ばす圧勝。それまでも昔の名馬のレースをたくさん見ていたんですが、リアルタイムでデビューから応援してきた馬がGIを勝つ喜びが、こんなにも誇らしく感動するものなのかと震えるくらい痛感しました。まだ知らなかった競馬のすごさをダイヤモンドが教えてくれたんです。凱旋門賞に挑戦したあたりから調子を落としてしまったんですが、この秋の京都大賞典で久々に勝ったときには、家で一緒に中継を見ていた母と大号泣でした(笑)。

 そんなわけで、有馬記念もサトノダイヤモンドが本命です。正直、レイデオロが強いことは十分わかっているんですが、サトノダイヤモンド以外から馬券を買って当たっても、まったくうれしくないのが本音で、自分の人生を変えるくらい競馬を好きにさせてくれた馬なので、他に強い馬がいると判っていても本命にせざるを得ないです。

 もちろん、推し要素がないわけではありません。前走のジャパンCはキセキの作った淀みのないラップで高速決着。しかも、上位に来た馬はみんな前目のインで立ち回っていたのに対して、サトノダイヤモンドはロスもあった中での6着ですから。

 先行馬が有利な傾向はありますが、キセキもこの秋はかなりタフな競馬を続けてきたので目には見えない疲れがあるかもしれないし、コーナーをたくさん回らなければならない中山で、前走と同じような競馬をするのは難しいかもしれないと思っています。

 本音を言えば、ダイヤモンドの背中を良く知るルメール騎手や、京都大賞典の前につきっきりで調教をつけてくれた川田騎手に乗ってほしかったという気持ちはありますが、それはもうしょうがないこと。今回サトノダイヤモンドに騎乗するアブドゥラ騎手は、他の騎手より中山の経験が少ないですが、密かに期待しています(笑)。

 毎年7000頭を越える競走馬がデビューする中で、有馬記念で引退レースを迎えることは、限られた馬にしかできない素晴らしいことだと思います。「本当にお疲れさま! ありがとう」という気持ちで、ラストランを見届けたいと思います。