奇跡や伝説が生まれる有馬記念。ならば平成最後は大穴3頭に夢を託す (3ページ目)

  • text by Sportiva
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 昨年、8番人気で2着となったクイーンズリングも同様だ。同馬も前年のGIエリザベス女王杯(京都・芝2200m)を制していたが、それ以降は勝ち星どころか、馬券圏内(3着以内)に絡むこともなく、連覇を目指していた前走のエリザベス女王杯も7着と惨敗。有馬記念で人気を得られる状況ではなかった。

 しかし2頭とも、さすがは地力あるGI馬。態勢が整ったグランプリの舞台で息を吹き返したのだ。

 今年のメンバーを見ると、同じく近走で精彩を欠いていて人気が落ちそうなGI馬が何頭かいる。その中で狙ってみたいのは、マカヒキ(牡5歳)だ。

 エイシンフラッシュと同じ、ダービー馬である。しかしマカヒキは、2016年に世代の頂点にたったあと、世界最高峰のGI凱旋門賞(フランス・芝2400m)に挑戦して惨敗。以降、不振に陥り、骨折などのアクシデントもあって、思うような結果を出せていない。

 2走前のGII札幌記念(8月19日/札幌・芝2000m)では2着と好走して復活の気配を見せたが、前走の天皇賞・秋(10月28日)では再び7着と完敗。おかげで、今回も上位人気は見込めない。

 だが、有馬記念では人気落ちのGI馬が、何度となく奇跡的な復活を遂げている。加えて、マカヒキは中山で2戦1勝、2着1回という好成績を残している。ダービー馬ゆえ、"東京でこそ"というイメージが強いが、実は中山こそ得意舞台の可能性がある。

 大観衆が見守る最後の直線。マカヒキが中山の急坂を一気に駆け上がり、ライバルたちを蹴散らしても不思議ではない。

 最後にピックアップしたいのは、GI勝ちはないものの、一線級とも互角に戦ってきた"バイプレーヤー"の食い込みだ。

 2008年に10番人気で、2009年には11番人気で、いずれも3着に入ったエアシェイディがその例となる。同馬は2歳時にオープン戦を勝った実力馬。3歳秋に1600万下を勝ったあとは、ずっとオープン、重賞戦線で奮闘してきた。

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