2018.12.18

データを徹底分析。有馬記念で
レイデオロの勝利が見えてきた

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Nakahara Yoshifumi/AFLO

 ただ、血統的には嫌なデータがある。過去62回を数える有馬記念で、レイデオロの父キングカメハメハ産駒のみならず、その父の父ミスタープロスペクターから広がる大父系からは1頭も勝ち馬が出ていないのだ。3200mのGI天皇賞・春もミスタープロスペクター系は未勝利だが、有馬記念と距離が近く、スタミナと底力が問われるジャパンC(東京・芝2400m)は6勝していることから、ちょっと意外なデータだ。

 とはいえ、これは巡り合わせが悪かっただけで、それほど気にする必要はないとも思える。これまで出走した36頭のうち1番人気になった馬はおらず、2番人気は2012年ルーラーシップ(3着)、2015年ラブリーデイ(5着)の2頭。ルーラーシップは出遅れが響きながらゴールドシップから0秒3差の3着と健闘していたし、ラブリーデイは2000m前後がベストで、秋4戦目という臨戦過程から疲れも残っていたと思われる。

 ミスタープロスペクター系の馬は2着3回、3着も3回あるが、その多くが人気薄馬だった。2001年2着のアメリカンボスはジャパンC10着の13番人気(単勝116.9倍)で、馬連は48,650円の波乱となるなど好走例はあるので、「ミスタープロスペクター系だからダメ」と決めつけるのは早計だ。

 ローテーション的にはどうだろう。レイデオロは今回、天皇賞・秋以来の出走。過去10年、このローテーションで出走してきた馬は2頭(3着1回)しか勝利していない。一方、ジャパンCからの出走馬は3勝、2着5回、3着6回、菊花賞からの出走馬は3勝、2着1回、3着1回のため、いいローテーションとは言えないが、このデータを掘り下げると見え方が違ってくる。

 過去10年の天皇賞・秋からの出走馬は11頭とそれほど多くなく、2008年ダイワスカーレット(1番人気)、2009年ドリームジャーニー(2番人気)の2頭が勝利し、2008年には10番人気のエアシェイディが3着に入っているので、確率としてはそれほど悪くない。その他の敗れた8頭は3番人気馬が1頭、5番人気馬が2頭、それ以下は7番人気~13番人気と人気薄馬が多く、有力と言える馬も少なかった。レイデオロはオールカマー、天皇賞・秋に続く秋3戦目となり、無理のないローテーションで来ているので、疲労面も不安はなさそうだ。

 以上、”コース適性”“距離”“血統”“ローテーション”と、さまざまな角度からレイデオロの死角を分析してみたが、これといって致命的なものは見つからなかった。一見、相性の悪いデータでも、中身をしっかり精査すれば、気にする必要はないことも多い。

 GI朝日杯フューチュリティSのグランアレグリアのように、断然の人気馬がアッサリ敗れることがあるのも競馬の難しいところ。レイデオロもちょっとスタートダッシュが鈍い面もあるので、スタートに失敗して位置取りが悪くなったりすると、取りこぼすことも考えられるが、どんな馬にもそういった不安はある。今回はレイデオロを信じ、重い印を打ちたいと思う。