データを徹底分析。有馬記念でレイデオロの勝利が見えてきた

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Nakahara Yoshifumi/AFLO

 12月23日(日)、中山競馬場ではグランプリ・GI有馬記念(芝2500m)が行なわれる。

 20年以上昔の話になるが、サクラローレルが勝った1996年はなんと875億円という世界一の馬券販売額を記録し、ビッグレースとしてギネス世界記録にも登録された。競馬をあまりやらない人もレース名だけは知っていて、"ダービーと有馬記念だけは買う"という人も多いのではないだろうか。

 今年の大きな話題は、昨年の障害チャンピオン・オジュウチョウサンが武豊騎手騎乗で出走してくることだろう。しかし、人気の中心はGI天皇賞・秋(東京・芝2000m)を勝ったレイデオロ(牡4歳/美浦・藤沢和雄厩舎)と思われる。今回はこの馬に死角があるか、という視点で分析していこう。

天皇賞・秋を制し、有馬記念に臨むレイデオロ天皇賞・秋を制し、有馬記念に臨むレイデオロ レイデオロは昨年のGI日本ダービー(東京・芝2400m)勝ち馬で、今年はGII京都記念(京都・芝2200m)から始動。単勝1.6倍の圧倒的1番人気に推されたものの、出遅れと重馬場などの影響で3着に敗れた。また、続くGIドバイシーマクラシック(メイダン・芝2410m)も4着に敗れて春シーズンを終えている。

 秋はGIIオールカマー(中山・芝2200m)から復帰。やや後方追走から、直線では最内を突き、昨年のGI皐月賞馬アルアインにクビ差をつけ、昨年の神戸新聞杯(阪神・芝2400m)以来となる約1年ぶりの勝利を飾った。

 そして前走のGI天皇賞・秋。2番人気で出走し、好位5、6番手を追走すると直線で鋭く脚を伸ばし、GII札幌記念を勝ったサングレーザーに1馬身1/4差をつけて快勝。勝ちタイムの1分56秒8は歴代3番目の好タイムというハイレベルのレースだった。

 そんなレイデオロの、中山芝2500mのコース適性について考えてみよう。中山では4戦し、2歳時の葉牡丹賞(芝2000m)、GIIホープフルS(芝2000m)、GIIオールカマー(芝2200m)の3勝。敗れた1戦は昨年のGI皐月賞(芝2000m)で5着だったが、そのレースは約3カ月半ぶりの実戦で、スタートで出遅れる厳しい展開。それでも、勝ったアルアインからも0秒4差と、内容としてはそれほど悪くなかった。中山コースは苦にしていないと言える。

 距離的には、今回の2500mは初めて。母ラドラーダが芝1400~1600mを得意としたマイラーで、祖母レディブロンドが芝1200mで5勝したスプリンターだったという血統もあり、ベストは2000mと見ている。それでもレイデオロは、2400mではGI日本ダービーを含め2勝しているし、6回もコーナーを回る有馬記念はマイル~中距離タイプの馬が好走するケースが多いため、対応できるだろう。

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