朝日杯FS出走の牝馬グランアレグリアの
潜在能力はアーモンドアイ並み

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 グランアレグリアの1600mの持ちタイム1分33秒6は、今年の2歳馬の中で、ラヴズオンリーユーが白菊賞(京都)でマークしたタイムと並んで最速。今回、朝日杯FSで人気となるだろう、牡馬アドマイヤマーズの持ちタイムは1分34秒7と1秒以上も遅い。また、同馬の前走GIIデイリー杯2歳S(京都・芝1600m)の勝ちタイムは1分35秒4で、グランアレグリアのサウジアラビアロイヤルCのタイムを1秒4も下回っている。

 タイムが絶対ではないが、アドマイヤマーズを基準に考えると、現時点での今年の2歳牡馬のレベルはそれほど高くないと言える。サウジアラビアロイヤルCで見せたパフォーマンスからも、グランアレグリアを「現2歳馬最強」と見ていいだろう。

 血統的には、グランアレグリアの母タピッツフライはアメリカで走り、2歳時にサンタニアパーク競馬場で行なわれた第2回BCジュヴェナイルフィリーズターフ(芝約1600m)を勝利。5歳時には、ジャストアゲームS(ベルモントパーク・約1600m)を1分32秒34という速いタイムで制するなど、芝約1600mの牝馬限定GIを2勝している。グランアレグリアにはそのスピードがストレートに伝わったようで、母が5歳時に本格化したことから、グランアレグリアもまだまだ強くなる余地を残している。

 すでにかなりの能力を見せているだけに、グランアレグリアがさらに力をつけるとなると、1歳上の最強牝馬アーモンドアイクラスの名牝になるかもしれない。そんな期待を抱かせる走りに期待しよう。

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