豊作の牝馬と違って「不作」の評価。
混迷極める2歳牡馬ランキング

  • text by Sportiva
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 1位は、サートゥルナーリア(父ロードカナロア)。エピファネイア(父シンボリクリスエス)、リオンディーズ(父キングカメハメハ)など、多くの活躍馬を送り出してきた名繁殖牝馬シーザリオの子だ。ここまで2戦2勝と、評判どおりの結果を残している。

吉田順一記者(デイリー馬三郎)
「新馬戦(6月10日/阪神・芝1600m)では、逃げるのを嫌って強引に下げる形にもっていき、結果的にスムーズさを欠いて、4角では1列ポジションを下げるはめに。それでも、抜群の瞬発力で着差以上の完勝劇を見せました。

 そして、およそ4カ月半ぶりとなった前走のオープン特別・萩S(10月27日/京都・芝1800m)でも、好位の内からあっさり突き抜ける芸当を披露。7頭立てながら、メンバー的には興味深い一戦だと思っていましたが、終わってみれば、当馬の強さばかりが目立つ結果となりました。ムチいらずで、追うところなしの勝ちっぷりは、"世代ナンバー1"の評価を与えられるほどです。

 母のシーザリオは、エピファネイアやリオンディーズらGI馬を出していますが、父がロードカナロアに代わったことで、スピードの絶対値や瞬発力は明らかに高まっています。しかも、ロードカナロア産駒のわりに、気性が安定しているのはプラス要素。間違いなく、クラシックの主役を張れる逸材です」

木南友輔氏(日刊スポーツ)
「新馬、萩Sともに大楽勝。好位で運ぶことができて、速い上がりも使える。唯一の不安は、同馬がこのあと出走を予定しているGIホープフルS(12月28日/中山・芝2000m)組の、年明け初戦の不振です。2歳馬にはタフな設定となるホープフルSを"走る"→"好走する"となったあと、どうやってクラシックまでもっていくのか。そこは大きな課題になるでしょう」

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