わずか2頭も、今年のジャパンCに挑む外国馬を侮ってはいけない (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Getty Images

 さらに、このとき2着のハイランドリールは、馬場が日本同様に整地されている香港やアメリカのGIを4勝している。

 こうした例から、カプリも日本の馬場に対応できる可能性は高く、何ら心配する必要はないのではないだろうか。

 思えば、今年の凱旋門賞の前に、オブライエン調教師に話を聞く機会があった。その際、ガリレオ産駒の適性について、これら前例を含めて尋ねてみると、同師も同様の見解を示していた。

「欧州の自然な状態を保ったままの力の要る馬場と、きれいに整備されたタイムの出やすい馬場と、それぞれ相反する馬場にあって、ガリレオ産駒がその両方で高い適性を示していることについては、私も薄々感じていました。

 その理由が『これだ!』とは断言できませんが、おそらくガリレオ産駒特有の少し胸を張った走法に、何かしらのヒントが隠されているかもしれません。これは、興味深い特徴だと思います」

 このとき、カプリの距離適性にも聞いてみた。それに対して、オブライエン調教師はこう答えた。

「この馬のベストは、2000~2400m。距離のあるセントレジャーを勝っていますが、それは距離適性というより、能力でカバーした結果です」

 先に触れたとおり、カプリは今年、目立った結果を出していない。それでも、凱旋門賞で5着と善戦。続くイギリスチャンピオンS(イギリス・芝1990m)では、勝ったクラックスマンにはちぎられたものの、2着クリスタルオーシャンとは1馬身半差の4着と奮闘している。

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