エリザベス女王杯は「幸薄い2頭」がこれまでのうっぷんを晴らす

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sports Nippon/Getty Images

 先週の京都では、ダートコースを舞台とした牝馬のビッグレース、JBCレディスクラシックが行なわれた。そして今週は、舞台を芝コースに移して、現役牝馬の"頂上決戦"となるGIエリザベス女王杯(11月11日/京都・芝2200m)が開催される。

 今年の3歳牝馬三冠を達成したアーモンドアイ、昨年の秋華賞馬で重賞2連勝中のディアドラ、昨年の海外GIドバイターフを制したヴィブロスらが参戦しないのは寂しいが、それでも牝馬トップクラスの面々が顔をそろえ、見応えのあるレースが繰り広げられそうだ。

 上位人気が予想されるのは、古馬勢では連覇を狙うモズカッチャン(牝4歳)に、これまでにGI2着が4度あるリスグラシュー(牝4歳)といったあたりか。3歳勢は、重賞2勝を挙げ、先のGI秋華賞(10月14日/京都・芝2000m)でも3着と奮闘したカンタービレ(牝3歳)と、GIII紫苑(9月8日/中山・芝2000m)を圧勝したノームコア(牝3歳)と、出走予定の2頭がともに人気を集めそうだ。

 ただ、これらの人気馬については、デイリー馬三郎の木村拓人記者が懐疑的な目を向ける。

「モズカッチャンは、実力的にはここでは最上位でしょうが、出走を予定していたGII府中牝馬S(10月13日/東京・芝1800m)を直前に回避して、本調子とは感じられないんですよね。リスグラシューも相手なりに走りますが、詰めが甘く、距離的にもいいとは言えません。

 3歳馬のカンタービレも、そこまで強調できる材料はありません。この世代はアーモンドアイが抜けて強いだけで、秋華賞では(カンタービレも)1000万条件を勝ったばかりのミッキーチャーム(2着)に後れを取るほどですから、そのレベルは推して知るべし、です」

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