天皇賞・秋の制覇に近いのはクラシックとは無縁だった明け4歳馬だ (3ページ目)

 このレイデオロに、前哨戦のGIIオールカマー(9月23日/中山・芝2200m)で惜敗を喫したアルアインも、決して軽視はできません。

 番手からうまく抜け出しながら、最後に差し切られたオールカマーでの負け方を見ると、直線がさらに長くなる東京コースでの逆転はかなり難しく思えるのですが、距離自体はGIを勝っている2000mに短縮されます。鞍上の北村友一騎手も、2度目の騎乗でプラスアルファーが見込め、勝ち負けに加わる可能性は十分にあります。

 菊花賞馬のキセキ(牡4歳)は、昨年のGII神戸新聞杯(2着。阪神・芝2400m)で、2馬身離されたレイデオロとは勝負づけが済んでいる印象があります。また、今春の不調ぶりも懸念材料になりますね。

 ただ、前走のGII毎日王冠(3着。10月7日/東京・芝1800m)では復調気配が見られましたから、注意は必要でしょう。

 毎日王冠では、牝馬に負けてしまい、3歳馬に差されるという結果。古馬の王道を歩もうとする馬にとっては不甲斐なく見えますが、勝った牝馬は安田記念でスワーヴリチャードに先着したアエロリット、強襲して2着に入った3歳馬はマイル~1800mまでなら、世代トップクラスのステルヴィオでした。

 しかも、この2頭にとって得意舞台だったことは確か。一方、キセキにはやや忙しい距離だったと思います。

 そうした敗因がありますし、アエロリットとステルヴィオの2頭は、11月のGIマイルCS(11月18日/京都・芝1600m)でも上位人気を形成するでしょうから、それらと差のない3着だったキセキが、ここで好走するチャンスはゼロではありません。

 そうは言っても、レイデオロを破るには、この1年における大きな成長が必要です。それだけの成長を、まだレースではうかがうことができていないだけに、さすがに物足りなさは感じます。無論、その名前のとおり"奇跡"的な走りを見せれば、一変があっても不思議ではありませんが......。

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