天皇賞・秋にGI馬7頭が集結。芝2000mに強い2頭に注目! (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Yamane Eiichi /AFLO

 血統的にも2000mで推せる要素は多い。父ルーラーシップは芝2000mの香港GIクイーンエリザベス2世C勝ち馬で、3歳時には、天皇賞・秋と同じ東京・芝2000mのOPプリンシパルSを4馬身差で圧勝している。

 甥グレーターロンドンは芝1600mの重賞、GIII中京記念(中京・芝1600m)の勝ち馬で、伯母のオークス馬ダイワエルシエーロも、芝1600~2400mの幅広い距離の重賞を勝利。祖母ロンドンブリッジは芝1400mのGIIIファンタジーSを勝利し、芝1600mのGI桜花賞で2着に入ったスピード馬だった。

 さらに、父ルーラーシップの母エアグルーヴは1997年のこのレースの勝ち馬でもある。血統的には3000mより、2000m前後がしっくりくる馬なのだ。昨年のキタサンブラックに続く、菊花賞馬による天皇賞・秋制覇に期待したい。

 もう1頭挙げるなら、スワーヴリチャード(牡4歳/栗東・庄野靖志厩舎)を無視するわけにはいかない。東京競馬場では5戦してGIII東京スポーツ杯2歳S(芝1800m)2着、GIII共同通信杯(芝1800m)1着、GI日本ダービー2着、GIIアルゼンチン共和国杯(芝2500m)1着、GI安田記念(芝1600m)3着で、2勝、2着2回、3着1回と安定した走りを見せている。敗れた3戦もすべて勝ち馬から0秒1以内という接戦だった。

 同馬は今年の春にその素質が本格的に開花。GII金鯱賞(中京・芝2000m)を勝利し、続くGI大阪杯でGI初制覇を飾り、初距離で距離が短いと思われた安田記念でも好走を見せた。1600mで差のない競馬ができた経験は今回に活きてくるだろう。

 父ハーツクライは4歳時のGI有馬記念(中山・芝2500m)で、当時無敗のディープインパクトを破りGI初制覇。5歳時にもGIドバイシーマクラシック(ナド・アルシバ・芝2400m)を勝った遅咲きの馬で、代表産駒ジャスタウェイも、4歳時に天皇賞・秋を制してGI初制覇を果たしている。

 スワーヴリチャードも秋を迎え、さらなる強さを見せることが予想される。今回は約5カ月ぶりの実戦となるが、過去に中10週以上の間隔が開いていた3レース(共同通信杯、アルゼンチン共和国杯、金鯱賞)はすべて勝利しているように、久々は苦にしないタイプだ。

 以上、天皇賞・秋はキセキとスワーヴリチャードの4歳馬2頭に期待したい。

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