2018.10.17

わずか1勝馬が菊花賞で戴冠か。
上昇エタリオウ、王になるため大変身

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 そうして、青葉賞で2着となったエタリオウは、ダービーにも駒を進めた。それまで、コンスタントにレースに出ていたので、山内氏自身は「(ダービーでは)体力的にお釣りがあるのか、不安だった」という。しかし、エタリオウを管理する友道康夫厩舎のスタッフからは、「状態がよく、一発あるかもしれない」と聞いていたそうだ。

「ダービーには、エタリオウと同じ馬主さん(Gリビエール・レーシング)のジェネラーレウーノも出ていて、この馬の育成も自厩舎で担当したんです。2頭を応援していたのですが、エタリオウは出遅れてしまって......。

 でも、そこから盛り返して、直線では前にいったジェネラーレウーノが下がってきたところを入れ替わるようにして、エタリオウが外から追い込んできて。あれには、驚きましたね。唯一後方から来たので、力があることを感じました」

 山内氏が友道厩舎のスタッフから聞いていたとおり、エタリオウは確かに"一発ムード"を匂わせた。そして、ダービー後は山内氏のもとで休養をとった。

「ダービーであれだけ走りましたし、夏には『この休養で成長できれば、菊花賞は相当面白い』と考えていました。そこで、(牧場に戻ってきてからは)ダービーという激しいレースのあとでしたし、レースを使ってきて体も少しずつ減っていたので、まずは馬体を膨らませることを重視しました。

 実際、(休養中に)体はきっちり大きくなって、(馬体が)回復しただけでなく、成長も感じられました」

 山内氏の言葉どおり、エタリオウの成長を感じさせたのが、前走の神戸新聞杯である。ダービーと似たような展開となって、ここでも2着にとどまったが、春のような"勝ち切れない"2着とはひと味違う内容だった。