前哨戦は惨敗のエポカドーロ。菊花賞は「問題」解決で買い、となるか (2ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 主戦の戸崎騎手も、同じような敗因を口にした。

「スタートがあんな感じになったので、自分の競馬ができなかった」

 勝負事に"たられば"は禁物だが、実際、当日にあのレースを見て「もし、スタートでつまずくというアクシデントがなかったら、どうなっていただろうか......」と思った人は少なくなかったはず。それぐらい、致命的なスタート後のアクシデントだった。

 もしかすると、あのアクシデントは、当日の仕上げがトライアル仕様ゆえの、馬自身の心身の余裕、厳しく言えば"隙"がもたらしたものだったかもしれない。

 だとすれば、"隙"のない、完璧に近い仕上げで臨むであろう本番では、再びあのようなアクシデントが起こることは考え難い。今度は持てる力を存分に発揮できるだろう。

菊花賞で二冠目を狙う皐月賞馬のエポカドーロ菊花賞で二冠目を狙う皐月賞馬のエポカドーロ では、馬券は"買い"か。

 ところが、話はそう簡単ではないらしい。

「あのレース、エポカドーロがつまずいたことだけに、単に敗因を求めるべきではありません。もっと本質的な問題があるんです」

 そう語るのは、関西の競馬専門紙記者である。

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