兄サトノダイヤモンドとはひと味違う、サトノジェネシスの重厚な特質

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

厳選!2歳馬情報局(2018年版)
第21回:サトノジェネシス

 10月8日に行なわれたGII京都大賞典(京都・芝2400m)で、サトノダイヤモンド(牡5歳)が約1年半ぶりの勝利を飾った。同馬がトップでゴール板を駆け抜けたあと、スタンドからは大きな拍手が起こった。

 それだけ、多くのファンがこの馬の復活を願っていたのだ。

 デビュー前から「逸材」と騒がれていたサトノダイヤモンド。実際に初陣からスケールの大きな走りを見せて、デビュー3連勝で重賞制覇を遂げた。

 クラシックにも"主役"として臨み、GI皐月賞(中山・芝2000m)で3着、GI日本ダービー(東京・芝2400m)ではハナ差の2着に敗れたものの、最後の一冠であるGI菊花賞(京都・芝3000m)でついに戴冠。待望のクラシック・ウイナーとなった。

 さらに、続くGI有馬記念(中山・芝2500m)では、古馬最強のキタサンブラックを撃破。GI2勝目を挙げ、古馬になってからのさらなる飛躍を期待させた。

 しかし古馬となった翌年、3月のGII阪神大賞典(阪神・芝3000m)こそ快勝したが、以降は勝ち星から遠ざかっていった。活躍が見込まれた凱旋門賞(フランス・芝2400m)で惨敗を喫し、今春もGI戦線で人気を得ながら敗戦を繰り返した。

 そんな状態から今回、見事に復活。ファンが盛り上がったのも自然なことだった。

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る