秋華賞をスリリングに。アーモンドアイの三冠達成を阻む刺客が2頭いる (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 血統は、父が言わずとしれた大種牡馬ディープインパクトで、母の父ダンシリは昨年の秋華賞を勝ったディアドラの父ハービンジャーの、そのまた父という血統。ディープインパクト産駒は過去6年で4頭の秋華賞馬を出しており、血統的にもいかにも秋華賞向きだ。

 脚質的にも、前で飛ばすミッキーチャームを楽に逃げさせたくないという心理が働き、アーモンドアイ&ルメールにもプレッシャーを与えることだろう。逃げての押し切りに期待したい。

 そしてもう1頭、サラキア(牝3歳/栗東・池添学厩舎)にも注目だ。

 同馬は3歳1月の新馬戦(中京・芝1600m)でデビュー勝ち。その後、GIIチューリップ賞(阪神・芝1600m)4着、GIIフローラS(東京・芝2000m)4着、OP白百合S(京都・芝1800m)2着と勝ち切れないまま上半期シーズンを終えたが、今年8月の青島特別(小倉・芝1700m)を3馬身半差で完勝し、待望の2勝目を挙げた。そして、続く前走のGIIローズS(阪神・芝1800m)ではゴール前で猛然と追い込んで2着。ようやく三冠戦線の出走権を得ることができた。

 デビュー戦から毎レース出遅れたようにゲートが課題だが、後方からの競馬でもゴール前は必ず伸びてくるのが特長。ミッキーチャームが逃げ、アーモンドアイがそれを早めに捕まえにいく展開になれば、後方で脚を溜めたこの馬向きの流れになる可能性も十分だ。一気の差し切りのシーンも想定しておこう。

 血統はミッキーチャームと同じディープインパクト産駒で、母サロミナはGIドイツオークス(芝2200m)勝ち馬という良血。母の父ロミタスは、凱旋門賞を勝ったデインドリームなどを出した種牡馬で、スタミナと成長力を伝える血だ。サラキアの本領発揮はこれからだろう。

 以上、「打倒アーモンドアイ」候補として2頭の馬に期待する。脚質的に両極端なので、2頭を注目していればスリリングなレースを味わえそうだ。

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