2018.10.10

絶対女王アーモンドアイ。牝馬三冠
達成へ、2つの不安要素が明るみに

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Yoshifumi Nakahara/AFLO

 器用さ勝負に巻き込まれて後手を踏んだケースと言えば、まさにブエナビスタが敗れたとき(2009年)がそうだ。機動力で勝るレッドディザイアに、まんまと先に動かれて2着入線。なおかつ、勝ち馬を追いかけるときの動きでブロードストリートの進路を妨害して、3着降着という憂き目にあってしまった。

 とはいえ、アーモンドアイの場合は、桜花賞で見せた鮮烈な決め手だけでなく、前めでレースを運んだオークスで披露した器用さもある。そのレースぶりから、それほど心配する必要はないのではないだろうか。

「確かにオークスではいい位置を取りましたけど、折り合いはギリギリ。コーナーがゆったりしていて、広い東京コースだからできた芸当でしょう。それに、あの末脚を引き出すには、エンジンがかかるまでの助走が必要な馬。正直、京都の内回りは"合わない"タイプだと思うんですよね。

 後ろで構えていたら、前でうまくレースを運ぶ馬を相手に"やらかす"可能性は少なくないと思います。もちろん、差し遅れたとしても、力は抜けているわけですから、上位には確実に来ると思いますが......」

 木村記者はもうひとつ、アーモンドアイには懸念材料があるという。それは、オークスからのぶっつけとなるローテーションだ。2001年のテイエムオーシャンや、2006年のカワカミプリンセスはオークスからのぶっつけで戴冠を遂げているが、そういった例とは「少し意味合いが違う」と言って、木村記者はこう語る。

「(オークスからの)ぶっつけ自体は、そんなに気になりません。桜花賞もトライアルを使わずにぶっつけで挑んで結果を出していますから、むしろこの馬にはぶっつけのほうが合っていると思うんです。

 ただ今回、アーモンドアイは現時点ですでに、この先のジャパンカップ(11月25日/東京・芝2400m)を視野に入れている、ということ。そうなると、やはり目いっぱいに仕上げられるのか? という疑問が残ります。そこに、付け入る隙が生まれるのではないでしょうか」