ファインニードルに不安なし。スプリンターズSで財布を厚くする (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Ito Yasuo/AFLO

 ここからは、過去に同年の高松宮記念を勝った馬のスプリンターズSの成績を見てみよう。これまで19頭の該当馬が出走していて、4勝、2着3回、3着2回で、勝率21%、連対率37%という成績が残っている。

 勝った4頭の前走を見てみると、1996年フラワーパークはこのレースが12月に行なわれていた頃なので参考外として、2001年トロットスターは安田記念14着からの約4カ月ぶりの出走。2009年ローレルゲレイロはセントウルS14着から、2013年ロードカナロアもセントウルS2着からの巻き返しだった。臨戦過程に関してはバラバラだが、勝利した3頭に共通するのは、中山コースで連対があるという点。前述のように、ファインニードルはこのコースで勝利がある。

 なお、同年の高松宮記念勝ち馬がセントウルSを勝ってこのレースに臨むのは2016年のビッグアーサーに続く2例目となる。同馬はスプリンターズSで12着と大敗しているが、直線で進路がふさがれるなど大きな不利があって力を出し切れなかったためで、同馬とファインニードルが同じ結果になると見る必要はないだろう。

 春のチャンピオンであるファインニードルは前哨戦を軽くクリアし、馬場の不安もなく脚質も自在。コース実績もあり、不安点はほとんど見当たらない。大きな不利がない限りは連覇の可能性は高いと予想される。

 1頭、穴馬を挙げるとすればダイメイプリンセス(牝5歳/栗東・森田直行厩舎)。父キングヘイローは2000年の高松宮記念勝ち馬で、1990年のこのレース3着馬。牝系は今年の2冠牝馬アーモンドアイと同じだ。"旬"の牝系が連鎖反応のようにGIで激走するのは競馬の歴史の中で何度も起こってきたことなので、注意しておきたい。

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